検田

検田（けんでん）とは

検田は農業において、耕作地の面積や作業者、土壌の質などを調査する活動を指します。日本の歴史において、検田は重要な役割を担っており、特に古代から中世にかけては農業政策の根幹をなす要素の一つでした。

歴史的背景

検田の実施は、大化の改新が行われた直後から始まりました。この時期には班田制が施行され、その導入に先立って校田が行われ、それに基づいて校田帳が作成されました。検田の実施は古くから行われていたとされ、最も古い記録は天平9年（737年）に作成された豊後国正税帳に見られる「壱度検田不熟」という表現です。この記録は、当時の農作物の生育状況や耕作地の実態を示す貴重な証拠となっています。

中世の変遷

その後、荘園制度の発展に伴い、荘園における農地の調査も「検田」という名称で呼ばれるようになりました。検田の結果は通常、検田帳としてまとめられ、農業政策において重要なデータベースとして活用されました。

平安時代後期になると、荘園が広がる中で、国衙や荘園領主による調査のことを「検注」と呼ぶようになりました。この変化により、一部の用語が入れ替わり、検田は次第に過去の用語となっていきました。検田帳も検注帳と呼ばれ、農業の台帳としての役割が明確化されていったのです。

検田の意義

検田は、当時の農業生産力を把握し、効率的な資源配分や政策決定につなげるための基盤を提供しました。これにより、農業の発展だけでなく、税制や土地管理の向上にも寄与することとなりました。検田を通じて得られた情報は、農村の経済を支える要素であり、特に課税の基準や農地の評価には欠かせないものでした。

参考文献

検田についての詳細な情報は、原秀三郎による『日本史大事典 2』に記載されています。この文献は、検田の歴史的発展やその役割について深く掘り下げており、農業関係の研究において重要な資料となっています。

検田の歴史は、我が国の農業の進化を示す重要な側面であり、古代から中世にかけての社会構造や経済の変遷を知る上で欠かせないテーマです。

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