楊保宗

楊保宗（よう ほそう）は、五胡十六国時代の後仇池の第4代君主です。父は楊玄、兄に楊保顕、弟に楊保熾・楊文徳がいます。

429年、父である楊玄の死に伴い後を継いで君主となりましたが、その直後、叔父にあたる楊難当（よう なんとう）に裏切られ、君主の座を奪われて廃位されてしまいます。

432年、楊難当の命令によって、宕昌（とうしょう）の鎮守を任されますが、間もなく楊難当に対して反乱を起こします。しかし、この反乱は失敗に終わり、捕らえられてしまいます。435年、楊難当に許され、董亭（とうてい）の鎮守に再び任じられますが、兄の楊保顕と共に北魏（ほくぎ）へ亡命しました。

その後、叔父の楊難当が自立し大秦王（だいしんおう）を自称し、北魏領である上邽（じょうけい）を攻撃すると、北魏は楊保宗を上邽に鎮守させ、楊難当の侵攻を防がせました。

442年に後仇池が滅亡した後、443年4月、楊保宗は北魏に対して謀反を企てていることが発覚し、捕らえられ、処刑されました。短期間で君主の座を追われ、亡命、旧領防衛を任されるも最後は処刑という、波乱に満ちた生涯でした。

参考文献

* 三崎良章『五胡十六国 中国史上の民族大移動』東方書店、2002年2月。

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