楊枝甘露

楊枝甘露（ヨンジーガムロ）とは

楊枝甘露（ようじかんろ、広東語読み方：ヨンジーガムロ、粤拼: joeng4 zi1 gam1 lou6）は、香港発祥のデザートで、香港のみならず、マカオ、シンガポール、マレーシア、広東省、台湾など、多くの中華レストランやデザート店で親しまれています。角切りのマンゴー、ポメロ（ザボン）、サゴ（サゴヤシから採取されるデンプン）、ココナッツミルクなどを組み合わせた、トロピカルで風味豊かな味わいが特徴です。

名前と由来

「楊枝甘露」という名前は、観音菩薩が持つ楊枝（柳の枝）から滴る甘露に由来すると言われています。この甘露は、口にすると清涼感をもたらし、心身を癒す力があるとされています。16世紀の中国の小説『西遊記』にも、観音菩薩が楊枝を使って人々を救済する場面が描かれています。

発祥

楊枝甘露は、1984年に香港の有名レストラン「利苑酒家」が考案したとされています。利苑酒家がシンガポールに初の支店を設立する際、当時の料理長であった黄永幟氏が、現地の食材からインスピレーションを受け、マンゴー、ザボン、サゴを使った新しいデザートを開発しました。これが楊枝甘露の始まりとされています。

基本的な作り方

楊枝甘露の基本的な作り方は以下の通りです。

1. グレープフルーツ（またはザボン）の果肉を取り出す。
2. マンゴーを角切りにする。
3. サゴを茹でて、透明にする。
4. マンゴー、グレープフルーツ、サゴをココナッツミルク、砂糖と混ぜ合わせる。

お店によっては、ココナッツミルクの代わりに牛乳や練乳を使用したり、タピオカやナタデココ、杏仁豆腐、アイスクリームなどを加えることもあります。また、高級店では、ツバメの巣などの高級食材を加えることもあります。

楊枝甘露のバリエーション

楊枝甘露は、その人気から様々なバリエーションが生まれています。例えば、マンゴーの代わりにイチゴやメロンなどのフルーツを使ったり、抹茶やチョコレートなどのフレーバーを加えたりするものもあります。また、ゼリーやプリン、スムージーなど、様々な形態で提供されることもあります。

関連情報

マンゴープリン: マンゴーを使ったデザートとして、楊枝甘露と並んで人気があります。
中国における菓子の一覧: 中国には、様々な種類の伝統的な菓子が存在します。楊枝甘露もその一つとして、広く親しまれています。

楊枝甘露は、その独特の食感と、マンゴーの甘み、グレープフルーツの酸味、ココナッツミルクのコクが絶妙に調和した、奥深い味わいが魅力です。ぜひ一度、本場の味を試してみてはいかがでしょうか。

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