楢崎政友

楢崎政友

楢崎政友は、戦国時代末期から江戸時代初期にかけての武将であり、備後国芦田郡久佐（現在の広島県府中市付近）を拠点とした国人・楢崎氏の一族です。楢崎氏は朝山二子城（楢崎城）を本拠とし、後に毛利氏の家臣となりました。

生涯

楢崎政友は、楢崎豊景の次男・楢崎景政の次男として生まれました。毛利輝元に仕え、文禄・慶長の役では、一族と共に朝鮮へ渡海し、武功を上げました。

慶長2年（1597年）から始まった慶長の役において、政友は従兄弟である元兼（伯父・信景の嫡男）や元好（叔父・景好の長男）らと共に、毛利秀元に従って朝鮮に渡りました。しかし、元兼は嗣子のないまま同年9月18日に朝鮮で病死し、元好がその後を継ぎました。また、政友の兄である政忠も朝鮮で戦死したため、政友が父・景政の後を継ぐこととなりました。

政友は、慶長2年（1597年）12月22日から慶長3年（1598年）1月4日にかけて行われた第一次蔚山城の戦いにおいて、目覚ましい功績を挙げました。この功績により、第一次蔚山城の戦いで功のあった毛利氏家臣を賞した、慶長3年（1598年）1月25日付の豊臣秀吉の朱印状に、政友の名（楢崎清吉）が記されることとなりました。これは、彼の武勇が豊臣秀吉にも認められた証左と言えるでしょう。

しかし、その後の政友は、暇を下されて牢人となり、長門国豊浦郡の赤間関（現在の下関市）に住むこととなりました。赤間関での生活や、その後の動向については詳しい記録は残っていません。没年も不詳であり、その生涯は謎に包まれています。

参考文献

『萩藩閥閲録』巻52「楢崎与兵衛」
岡部忠夫『萩藩諸家系譜』（マツノ書店、1999年復刻）

楢崎政友は、戦国時代から江戸時代への移行期を生きた武将であり、毛利氏の家臣として、また一族の一員として、歴史に名を刻みました。彼の生涯は、当時の武士の生き方や、戦乱の世の厳しさを物語るものとして、後世に語り継がれています。

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