楯親忠

楯親忠（たて ちかただ）

楯親忠は、平安時代末期の武将であり、木曾義仲の家臣としてその名を歴史に刻みました。義仲四天王の一人として、数々の戦で活躍し、その武勇は広く知られています。父は根井行親であり、彼はその六男として生まれました。

生涯

親忠は、木曾義仲に従い、数々の戦に参戦しました。特に、横田河原の戦いや倶利伽羅峠の戦いでは、その武将としての才能を遺憾なく発揮し、義仲軍の勝利に大きく貢献しました。これらの戦いでの活躍は、彼が単なる家臣ではなく、義仲にとって不可欠な存在であったことを物語っています。

しかし、親忠の武勇も虚しく、元暦元年（1184年）、宇治川の戦いにおいて、父・行親と共に壮絶な戦いの末、六条河原で討ち死にしてしまいました。この戦いは、義仲軍の命運を左右する重要な戦いであり、親忠の死は、義仲軍の衰退を象徴する出来事でもありました。

親忠の死後、彼の血縁者たちは、義仲の遺児と共に上野国（現在の群馬県渋川市北橘）へと逃れました。この地には、親忠を弔うための供養塔が建立されており、今もなお、その存在が親忠の足跡を伝えています。また、親忠がかつて屋敷を構えていたとされる長野県南佐久郡佐久穂町周辺には、彼の名残を偲ぶ史跡が残されています。


親忠の生涯は、戦乱の世を生き抜いた一人の武将の姿を今に伝えます。彼の勇猛果敢な戦いぶり、そしてその最期は、多くの人々に語り継がれ、後世の武士道にも大きな影響を与えたとされています。親忠の存在は、歴史の一コマとしてだけでなく、私たちに勇気と教訓を与えてくれる存在と言えるでしょう。

もう一度検索