宇治川の戦い

宇治川の戦い

宇治川の戦い（うじがわのたたかい）は、平安時代末期の寿永3年（1184年）1月、源義仲（木曽義仲）と、鎌倉の源頼朝から派遣された源範頼、源義経らとの間で行われた合戦です。治承・寿永の乱における重要な戦いの一つであり、源氏同士が激突したことで知られています。

背景

寿永2年（1183年）7月、信濃で平家打倒の兵を挙げた源義仲は、数万騎を率いて京に入りました。しかし、義仲軍は京で乱暴狼藉を働き、皇位継承を巡って後白河法皇とも対立を深めます。同年9月には、備中水島の戦いで平家軍に大敗し、後白河法皇は義仲を見限ります。10月には、後白河法皇は鎌倉の源頼朝に東海道・東山道の支配を認める院宣を密かに下し、頼朝に接近します（寿永二年十月宣旨）。

窮地に立たされた義仲は、同年11月に起死回生をはかり、院御所の法住寺殿を攻撃し、後白河法皇を幽閉して政権を掌握しました（法住寺合戦）。しかし、孤立を深める義仲は平家との和平を模索しますが、拒絶されます。12月には、後白河法皇に強要して頼朝追討の院宣を発出させ、翌寿永3年（1184年）1月には、義仲は征東大将軍に任命されます。1月20日、頼朝は近江にまで進出させていた弟の範頼、義経に義仲追討を命じ、両者の対決は避けられない状況となりました。

経過

入京時数万騎を誇った義仲軍は、水島の戦いでの敗北や状況の悪化から脱落者が相次ぎ、千騎程度にまで激減していました。義仲は平家との和平交渉を進めるとともに、後白河法皇らを奉じて北陸道へ下ることも考えていたようですが、関東の飢饉で兵を動員できない上に、義経の兵も千騎程度という情報が入ったため、迎え撃つことを決意します。

義仲が敵の実勢を把握したのは15日の夜であり、翌16日には範頼が北陸道の入り口である近江国瀬田に兵を進め、義仲軍を京に閉じ込める形勢となりました。義仲は、今井兼平に500余騎を与えて瀬田の唐橋を、志田義広、根井行親、楯親忠には300余騎で宇治を守らせ、自身は100余騎で院御所を守護しました。

1月20日、範頼は3万騎の大軍で瀬田を、義経は2万5千騎の軍勢で宇治を攻撃しました。義経軍は矢が降り注ぐ中、宇治川に突入しました。この時、佐々木高綱と梶原景季による「宇治川の先陣争い」が繰り広げられたとされています。志田義広らは必死に防戦しましたが、義経軍の勢いを止めることはできず、宇治川を突破されてしまいます。

義経軍は京に突入し、義仲軍との激戦が繰り広げられました。義仲は奮戦しますが、遂に敗れて後白河法皇を奉じて西国へ脱出することを試み、院御所へ向かいました。義経は自ら数騎を率いて追撃し、院御所門前で義仲を追い払い、後白河法皇を確保することに成功しました。

後白河法皇を連れ出すことを断念した義仲は、兼平と合流するために瀬田へ向かいました。瀬田で範頼軍と戦っていた兼平は、宇治方面での敗報を知り退却し、粟津で義仲との合流を果たします。義仲は北陸への脱出を試みますが、範頼の大軍が襲い掛かります。義仲軍は奮戦しましたが、次々に討たれ、遂には義仲自身が顔面に矢を受けて討ち取られ、兼平も義仲を追って自害しました（粟津の戦い）。

ギャラリー

（画像は省略）

脚注

注釈

（注釈は省略）

出典

（出典は省略）

関連項目

* 日本の合戦一覧

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