榎本了壱

榎本了壱は、1947年に東京都で生まれたアートディレクターです。武蔵野美術大学造形学部商業デザイン学科を卒業後、1971年には寺山修司監督の映画『書を捨てよ町へ出よう』で美術を担当しました。その後、萩原朔美と共同で雑誌『ビックリハウスsuper』を創刊し、編集長を務めるなど、1970年代から1980年代にかけて、アートシーンの第一線で活躍しました。

1986年1月15日には、株式会社アタマトテ・インターナショナルを設立し、代表取締役に就任。この一連の活動に対して、美術評論家の椹木野衣は「榎本了壱コーカイ記」展の紹介記事で、『渋谷を舞台に現在につながる新しいアートの芽生えと発表の機会を誰よりも早く、かつ大規模に支えた』と評しています。

その後も、NHKスタジオパークの企画・展示プロデュースや、「世界デザイン博住友館」の総合プロデュースなど、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。また、『広告批評』などのメディアでデザイン論評を寄稿するなど、評論家としても活躍しています。

教育者としては、2006年から2013年まで京都造形芸術大学の教授・情報デザイン学科長を務め、現在は大学院所属の客員教授として後進の指導にあたっています。2019年11月からは大正大学表現学部の学部長に就任し、情報デザインとイベントプロデュースを専門としています。

社会活動にも積極的に参加しており、日本文化デザインフォーラムの理事・副代表幹事、全税共文化財団舞台芸術分野助成選考委員長、青森県立美術館パフォーミングアーツ推進委員長など、多くの要職を歴任しています。

また、2021年4月には東京オリンピックの聖火ランナーとして愛媛県松山市を走る予定でしたが、公道での走行は中止となり、代わりに松山城山公園での点火セレモニーに参加しました。

著書には、『ダサイズムの逆襲』『脳業手技 榎本了壱のアイディア・ノート』『東京モンスターランド 実験アングラ・サブカルの日々』などがあります。共編著としては、『江戸東京をつくった偉人鉄人』や『ザ・キムラカメラ』などがあります。その他にも、『アートウイルス』や『ビックリハウス131号 - 「ビックリハウス」なんて知らない!ビックリハウス住宅展示場カタログ』など、多数の書籍を執筆しています。

テレビ出演としては、『マルチ・スコープ』（NHK総合）の司会や、『11PM』（日本テレビ系）にイレギュラー出演するなど、メディアでもその活動が広く知られています。

榎本了壱は、アートディレクターとして、また教育者として、常に時代の最先端を走り続け、日本の文化、芸術の発展に大きく貢献している人物です。その活動は、デザイン、アート、そして教育の分野において、多岐にわたり、常に新しい視点と創造性をもって、社会に貢献しています。

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