樋口政幸

樋口政幸

樋口 政幸（ひぐち まさゆき）氏は、1979年1月15日に新潟県十日町市で生まれた、日本の車いす陸上競技を牽引するアスリートです。

競技への道のり

樋口氏の人生は、2003年に大きな転機を迎えます。長野県内の企業で勤務していた24歳の時、バイク事故により脊髄を損傷し、車いすでの生活が始まりました。この困難な状況に直面しながらも、事故から約半年後、リハビリテーション施設での生活中に車いすマラソンと出会います。健常者時代に長野マラソンに出場した経験があったこともあり、樋口氏は競技としての車いすマラソンにたちまち魅了され、その才能を開花させていきました。めきめきと力をつけ、国内における車いすマラソン界で注目される存在となっていきます。

競技活動にさらに専念するため、2010年9月には、トレーナーが活動拠点とする長野県安曇野市に移住しました。

パラリンピックでの活躍

樋口氏は、これまでに3度の夏季パラリンピックに出場し、世界の大舞台で優れた成績を収めています。

2012年 ロンドンパラリンピック: 初めてのパラリンピック出場を果たしました（マラソンT54クラスで13位）。
2016年 リオデジャネイロパラリンピック: T54クラスの5000mに出場し、4位に入賞しました。これはこの種目において、日本人選手が記録した過去最高順位です。さらに、1500mでは日本人選手として初めて決勝に進出し、8位に入賞するという歴史的な成果を挙げました。
2021年 東京パラリンピック: 母国開催となった大会では、1500mと5000mに出場。5000mで2大会連続となる8位入賞を果たしました。

日本記録と主な戦績

樋口氏は、T54クラスの5000mにおける日本記録保持者です。また、かつては800mと1500mの日本記録も保持していました。国内外の主要な大会で数多くの実績を積み重ねています。

国内主要マラソン大会で複数回優勝（長野、篠山、はまなすなど）。
大分国際車いすマラソンでも常に上位の成績を残しています（最高2位）。
アジアパラリンピック:
2010年 広州大会：マラソンで銀メダルを獲得。
2014年 仁川大会：5000mで銅メダルを獲得。
2023年 杭州大会：5000mで5位入賞。
世界選手権:
2013年 リヨン大会：5000mで銀メダル、1500mで銅メダルを獲得。1500mでのメダルは日本人選手初の快挙でした。
2015年 ドーハ大会：5000m 5位、1500m 7位。
* 2017年 ロンドン大会：5000m 7位。

これらの実績は、樋口氏が車いす陸上競技の中長距離分野において、長年にわたり国内外のトップレベルで活躍し続けていることを示しています。

関連情報

樋口政幸氏は、株式会社タカサワに所属しています。また、YouTubeチャンネルやTwitter、本人ブログなどで自身の活動や情報を発信しており、多くの人々に影響を与えています。

参考文献として、国立国会図書館Web Archiving Projectによる日本選手団選手名鑑（2012年9月3日アーカイブ）などがあります。

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