樗里疾

樗里疾について

樗里疾（ちょり しつ、? - 紀元前300年）は、中国戦国時代の秦国に属した重要な人物であり、王族および政治家としての地位を持っていました。彼の姓は嬴、氏は居住地に由来し樗里とされ、その名は疾です。樗里疾は、秦の孝公の子供で、恵文王の異母弟にあたります。母親は韓の出身であり、彼の屋敷が樗里にあったことから樗里子とも呼ばれました。樗里疾は知恵者として著名であり、その名声は広まりました。

経歴

樗里疾の活躍は、紀元前330年に始まりました。恵文君の8年目に、彼は右更に任命され、魏の曲沃を攻撃しそこに住む民を追放して制圧しました。この戦いによって、彼は軍事的手腕を発揮し、樗里疾の名は次第に知られるようになりました。

紀元前318年には、函谷関の戦いにおいて公孫衍が指揮する楚・韓・趙・魏・燕の連合軍を撃退しました。この戦いにおける彼の戦術は見事であり、秦国にとっての重要な勝利となりました。また、紀元前313年には趙を攻撃し、趙の将軍である荘豹を捕虜にしました。

その翌年には、楚からの侵攻に対し戦いを挑み、楚の軍隊を打ち破ることに成功しました。この戦功により樗里疾は恵文王からの信任を受け、厳君と呼ばれるようになります。さらに、同じ年には魏の救援要請を受け、敵軍との戦闘で激しい戦闘を繰り広げ敵軍を打ち破りました。濮上の戦いというこの戦いにおいても、樗里疾は敵の将を討ち取り、その功績は秦国の軍事史に名を刻むこととなります。

紀元前309年、樗里疾は右丞相に任命されました。この時、丞相という官名が歴史上初めて使用されたとされています。樗里疾の政治的地位はますます高まり、戦闘だけでなく政務にも関与し、数々の問題に対処しました。彼は力強いリーダーシップを発揮し、軍事および政治において重要な役割を果たしました。特に武王の時代には、戦車を指揮し周を訪れ、秦国の影響力を高める努力を行いました。

樗里疾の政治キャリアには多くの成功がありましたが、紀元前306年には衛を攻撃しましたが、交渉の結果包囲を解くことになりました。その後、引き返して魏を攻めましたが、最終的には降伏を得られずに引き上げることとなります。

彼は紀元前300年に亡くなり、渭水の南側、章台の東に埋葬されました。彼の遺言には、「100年後にここに天子の宮殿ができ、私の墓を挟むだろう」と記されており、漢の時代には実現したと言われています。

人物像

樗里疾は、知恵者としても広く知られています。彼は秦国において広く用いられる存在であり、当時の人々からは「智嚢」と称され、また「力は任鄙、智は樗里」といった諺も生まれました。このように彼の知恵は高く評価されていました。彼は恵文王に甘茂を推挙したことで、樗里疾の影響力はさらに増すこととなります。

樗里疾の生涯は、戦略家であり政務家であるという二つの側面を持っており、その功績は後の時代にも多くの人々に影響を与えました。

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