権現堂川

権現堂川（ごんげんどうがわ）

権現堂川は、埼玉県幸手市と久喜市、茨城県五霞町の境界を流れる、利根川水系の一級河川です。かつては利根川の本流として、重要な役割を担っていました。この川の歴史を紐解くと、江戸時代の治水事業と深く関わっていることがわかります。

歴史

権現堂川は、もともと渡良瀬川の河道の一部でした。その流れは南へと続き、東京湾に注いでいました。江戸時代に入り、徳川家康による利根川東遷事業の一環として、この川は大きく姿を変えることになります。

1621年（元和7年）、会の川や浅間川を経て、古利根川の流路を利用していた利根川本流に、新川通を開削し、渡良瀬川と接続させました。この時、権現堂川は拡幅され、利根川本流の一部となりました。

さらに、1654年（承応3年）には赤堀川が開削され、利根川の水が常陸川へと流れるようになります。これにより、銚子から常陸川、赤堀川を遡り、栗橋から権現堂川、江戸川を経て江戸に至る水路が完成しました。1665年（寛文5年）には逆川が開削され、関宿から江戸川への水運がさらに発展しました。

権現堂川は、江戸と各地を結ぶ水運の大動脈として、重要な役割を果たしました。

現在

1926年（大正15年）に、栗橋で流頭が締め切られ、権現堂川は利根川の本流としての役目を終えました。1928年（昭和3年）には廃止され、現在は、その流頭と中川との合流点の間が、中川の洪水抑制を目的とした調節池である行幸湖となっています。

旧権現堂川の堤防は、一部が中川の堤防として残り、権現堂堤として桜の名所となっています。春には多くの人が訪れ、桜並木を楽しむことができます。

また、日光街道（現在の国道4号）の栗橋交差点付近から、中川に架かる行幸橋にかけての築堤は、かつての権現堂川の右岸堤防の名残であり、行幸堤と呼ばれています。

橋梁

権現堂川には、以下の橋梁が架かっています。

かすみ橋
東北新幹線
大平橋
舟渡橋
みゆき水門橋

関連事項

日本の廃河川一覧
権現堂川[[用水路]]：中川（旧権現堂川）から取水している農業用水路

外部リンク

権現堂川について - 幸手市ホームページ
権現堂桜堤について - 幸手市観光協会
権現堂川の周辺 - 歴史的農業環境閲覧システム（農業環境技術研究所）
江戸川上流だより (PDF) - 国土交通省 関東地方整備局ホームページ
『近世初頭の河川改修と浅間山噴火の影響』 (PDF) - Kubotaホームページ
* 権現堂川 - ウェイバックマシン（2008年12月29日アーカイブ分） - 有限会社フカダソフト（気まぐれ旅写真館）


権現堂川は、その歴史と役割の変化を通じて、治水事業や交通網の発展において重要な場所であったことを今に伝えています。

もう一度検索