横地城

横地城（よこちじょう）

横地城は、静岡県菊川市東横地にあった、かつての日本の城です。この城は別名金寿城とも呼ばれ、2004年には「菊川城館遺跡群」の一部として国の史跡に指定されました。菊川城館遺跡群は高田大屋敷遺跡と横地氏城館群から構成されており、横地城は後者に属しています。

概要

横地城は、古くからこの地を領有していた横地氏によって築かれました。横地氏は、鎌倉時代には御家人として、また室町時代には奉公衆として幕府に仕えていた名門の家系です。この城の創築は室町時代初期とされており、約15世紀半ばの頃にも考えられています。城は牧ノ原台地から西部の菊川水系の平野部にかけての丘陵と谷地形を利用し、広さは東西400メートル、南北450メートルです。

この城は、尾根の上に「東の城」、「中の城」、「西の城」という三つの重要な区画を持っており、城内部には大小さまざまな曲輪や堀切、土塁、竪堀といった遺構が残されています。1476年、駿河守護の今川義忠と遠江守護の斯波義廉との対立時、横地氏は同族の勝間田氏と共に斯波氏側に立ち挙兵しましたが、今川義忠による攻撃を受けて落城しました。現在でも発掘調査が続いており、その結果は今後の研究に期待されています。また周辺地域は御前崎遠州灘県立自然公園に指定されており、自然と歴史の両方を楽しむことができるスポットです。

歴史

1. 室町時代初期 - 横地太郎家長によって城が築かれる。
2. 1476年（文明8年） - 今川義忠により城が焼き討ちされ、落城。城主の横地秀国が討死する。

歴代の城主

横地城の歴史には多くの城主がいました。初代は横地太郎家永（1052 - 1126）で、源頼義の子、八幡太郎義家の落とし子とされています。続く城主には横地太郎頼兼（1107 - 1142）、横地太郎長宗（1132 - 1176）、横地太郎長重（1162 - 1222）、横地太郎長直（1214 - 1276）などがいます。これらの城主たちは、それぞれ重要な歴史的事件に関与してきました。

特に、横地太郎長豊（1383 - 1437）は遠江守として、将軍の御供衆として京都に滞在し影響力を持っていました。その後、城主の横地太郎長秀（1434 - 1494）は足利義政に仕えていましたが、応仁の乱では敗北を喫しました。

最後の城主である横地太郎秀国（1465 - 1476）は、北条早雲の攻撃を受け、再び戦いに戻るも討死しました。

その他

横地氏は全国の横地姓の起源とされ、今川義忠が攻め込んだ際には、その帰路で遠江国塩買坂で横地の残党に襲われ討死しました。勝間田城の勝間田氏は横地氏の分家です。また近隣に存在する「金玉落としの谷」は、その独特の名前から珍地名として知られています。

このように、横地城は日本の歴史において重要な役割を担った城であり、今もその跡地は訪れる人々を惹きつけています。

もう一度検索