斯波義廉

斯波義廉（しば よしかど）

斯波義廉は、室町時代の中期から後期にかけて活躍した武将であり、大名の一人です。彼は室町幕府管領を務め、越前、尾張、遠江の守護として知られています。足利氏の一門にあたる渋川氏の出身で、父は渋川義鏡、母は山名宗全のかつての家族にあたります。

家督相続の背景

義廉は、長禄3年（1459年）に斯波氏の当主である斯波義敏が、守護代の甲斐常治と対立し、将軍に罷免されるという事件を経て、家督を相続することとなります。この時、義敏の実子である松王丸が家督を継ぐも、わずか2年後に義廉が将軍義政に特命され、家督を譲り受けました。これにより、彼は尾張、越前、遠江の守護に任命されることになります。

義廉が家督を相続する背景には、幕府の関東政策が深く関与していると考えられています。彼の先祖同士は血縁関係にあり、足利一門内でも強固な位置にありました。また、義廉の曾祖母が斯波義将の娘であることから、彼が家督を継承することには一定の意味がありました。

政治的動乱とその影響

義廉が家督を相続した後も、政情は不安定でした。寛正2年10月に遠江で再び反乱が起こると、翌年には関東での政争も勃発します。その最中、義廉は自らの立場が悪化し、将軍義政は義敏の復帰を考えるようになります。

義廉は、寛正6年（1465年）に奥州探題の取次で失敗したため、義敏の復帰工作が進みます。義廉は、山名宗全や畠山義就との連携を模索するものの、義敏とその支持者が将軍へ直訴することで彼の政権が脅かされることになりました。義廉は混乱の中で京都での対面を余儀なくされ、最終的には家督から罷免される運命に至ります。しかし、彼は再び家督を取り戻し、傑出した政策決定を行っていくこととなります。

応仁の乱とその後

応仁元年（1467年）、義廉は義就との連携を深め、京都北部での敵対勢力に対抗しました。この一連の動乱は応仁の乱として知られ、彼は西軍の主力となり転戦を繰り返しました。義廉は、同年に管領職を剥奪されるものの、依然として西軍内での立場は確固たるものであり続けました。

しかし、彼の支持基盤は次第に脆弱化し、有力な家臣が東軍に寝返ると、彼も孤立の危機にさらされました。最終的には尾張に下国し、義敏と手を組む元支持者たちと対峙することとなります。義廉の最後の様子は不明ですが、彼は1491年には亡くなっているとの記録があります。

結論

斯波義廉は、当時の政治的動乱の中で重要な役割を果たした人物として歴史に名を刻んでいます。彼の生涯は室町時代の複雑な権力闘争の縮図を表しており、彼の家系や政治背景が彼の行動に大きな影響を与えたことはその歴史的意義を強調しています。

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