横城郡

横城郡（フェンソンぐん）は、大韓民国江原特別自治道の中央部に広がる郡であり、その西部は京畿道に隣接しています。

歴史

この地の歴史は古く、高句麗時代には横川県や於斯買（オサメ）と呼ばれていました。新羅の時代には潢川（ファンチョン）と改称され、朔州（サクチュ）の支配下に置かれましたが、高麗の時代になると再び横川という名称に戻りました。李氏朝鮮時代の1413年頃、洪川（ホンチョン）との発音の類似を避けるため、現在の横城に改称されたとされています。その後、1895年には郡制が施行され、春川府に属する横城郡となりました。翌1896年には江原道横城郡に改編されています。

近代に入ると、郡の行政区画は度々変更されました。1914年4月1日の郡面併合により、郡内面、隅川面、井谷面、屯内面、甲川面、晴日面、公根面、古毛谷面の8面が成立。1937年には名称変更が行われ、郡内面は横城面、井谷面は安興面、古毛谷面は書院面にそれぞれ改称されました。その後も1963年には寧越郡からの編入、1973年には洪川郡との境界変更や郡内の各面での再編成が実施されています。

横城面は1979年5月1日に横城邑へと昇格し、1邑7面体制となりました。1983年には原城郡との境界変更が行われ、1邑7面を維持。1989年4月1日には安興面の一部地域（講林里、釜谷里、月峴里）を管轄していた講林出張所が講林面として独立し、1邑8面体制が確立しました。以降、2000年1月12日には甲川面内で細かな区域変更がありましたが、全体としては1邑8面体制が現在に至っています。

観光

横城郡には、多様な観光資源があります。

横城韓牛祭り（횡성한우축제）：毎年10月上旬に開催される、郡の誇る特産品である横城韓牛をテーマにした一大イベントです。無料試食会や、地域ならではの農村体験などが楽しめます。
屯内星宇リゾート：冬は20コースを有する大規模スキー場として賑わい、夏は温水プールやボウリング場などを備えたリゾート施設です。2000人収容可能なホテルも併設されており、2009年にはスノーボード世界選手権大会の会場にもなるなど、その規模と設備は特筆されます。
宗家キムチ工場：従業員300名を擁するこの工場では、厳選された材料と伝統的な手作り製法でキムチを製造しています。品質の高さから日本、中国、ヨーロッパなど海外への輸出も行われており、19年連続で韓国内販売実績第1位を誇る、郡を代表する食品関連企業です。
横城温泉：甲川面に位置するこの温泉施設は、湖畔を眺めながら入浴できるのが魅力です。黄土サウナ、玉露サウナ、マッサージ風呂などを備え、落ち着いた雰囲気の中でリラックスできる空間を提供しています。

交通

横城郡は交通の要衝でもあります。

高速道路は、中央高速道路が郡内を縦断し横城インターチェンジが設置されています。また、嶺東高速道路も通り、セマルインターチェンジ、横城サービスエリア、屯内インターチェンジが利用可能です。

高速バス網も整備されており、横城市外バスターミナルからは東ソウルへは1日7便、釜山へは1日11便、大邱と大田へはそれぞれ1日15便が運行されており、主要都市とのアクセスが容易です。

空路としては、横城郡横城邑曲橋里に原州空港のターミナルビルが位置しており、時刻表では「原州／横城」と表記される空港が利用できます。

鉄道は、京江線が郡内を通り、横城駅と屯内駅が設置されています。

姉妹都市・人物

横城郡は国内外の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

国内では、ソウル特別市の瑞草区（1997年締結）と衿川区（2008年締結）があります。
国外では、日本の鳥取県八頭町（2005年締結）、中国浙江省台州市臨海市（2005年締結）、日本の静岡県掛川市（2011年締結）と交流を深めています。

また、著名な出身者としては、人気グループSUPER JUNIORのメンバーであるキム・ヒチョル氏が横城郡の出身です。

歴史的な変遷を経て発展してきた横城郡は、豊かな自然、特産品である韓牛、温泉、リゾート、そして交通の利便性を兼ね備え、国内外からの訪問者を迎えています。

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