横堀三子

横堀三子：明治の政治家、台湾官僚、そして民権運動家

横堀三子（よこぼり さんし）は、嘉永5年9月15日（1852年10月27日）に生まれ、大正3年3月24日（1914年）に没した、明治時代の政治家であり、台湾総督府の官僚、そして自由民権運動家です。衆議院議員を4期務めました。旧姓は土屋、諱は龍、字は雲卿、号は鉄研、通称は三子です。

生い立ちと初期の活動

横堀三子は、下野国那須郡黒羽（現在の栃木県大田原市）で、黒羽藩士である土屋新二郎の次男として生まれました。後に大田原藩領の芳賀郡祖母井村（現在の芳賀町）に移り住みます。幼少期から大田原藩の儒臣・金枝柳村に師事し、漢籍を修めました。1874年（明治7年）には横堀源平の養子となり、1876年（明治9年）3月1日に家督を相続します。

政治家としての台頭

1878年（明治11年）に芳賀郡書記に就任。翌1879年（明治12年）には栃木県会議員に当選し、同議長を務めました。また、常置委員、地方勧業諮問会員、地方衛生会員など、様々な役職を歴任しました。自由民権運動にも積極的に参加し、1880年（明治13年）には下野有志共同会が設立されると、その総部長に就任。塩田奥造と共に国会請願捧呈委員として活動しました。

台湾での活動

その後、横堀三子は芳賀郡長を務めた後、台湾総督府に転じ、台中県苗栗支庁長、同県書記官などを歴任しました。台湾での行政に携わる中で、その手腕を発揮しました。

衆議院議員として

1890年（明治23年）7月の第1回衆議院議員総選挙で、栃木県第1区から出馬し当選しました。続く第2回から第6回総選挙では、星亨らと激しい選挙戦を繰り広げますが、落選が続きました。しかし、第7回、第8回、第9回総選挙で再び当選を果たし、衆議院議員を通算4期務めました。

親族

妻は横堀もん（養父の長女）です。

まとめ

横堀三子は、地方政治から国政、さらには海外の行政まで、多岐にわたる分野で活躍した人物です。自由民権運動家としての側面も持ち合わせ、明治という激動の時代を力強く生きました。彼の生涯は、日本の近代化の過程において、重要な役割を果たした人々の足跡を今に伝えるものです。

参考資料

大久保利夫『衆議院議員候補者列伝 : 一名・帝国名士叢伝 第１編』六法館、1890年。
篠田正作 編『明治新立志編』鍾美堂、1891年。
『人事興信録 第2版』人事興信所、1908年。
衆議院、参議院 編『議会制度七十年史 第11』大蔵省印刷局、1962年。
* 『栃木県歴史人物事典』下野新聞社、1995年。

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