横山十四男

横山十四男の生涯と業績

生い立ちと教育

横山十四男は1925年11月26日に長野県上田市仁古田で生まれました。彼は若い頃から学問に励み、1943年に旧制上田中学校を卒業。同年、陸軍経理学校に入学しますが、1945年に敗戦を迎え、この学校は解散します。その後、東京高等師範学校文科に転入し、1947年には東京文理科大学の国史学科に入りました。1950年に同学科を卒業し、その後は教職の道へ進むことになります。

教職への道

横浜市立港高校で教諭としてのキャリアをスタートさせた横山は、1956年に東京教育大学附属中学校で教壇に立ちました。1980年には筑波大学助教授に就任し、1984年には「義民伝承の研究」で筑波大学文学博士の学位を取得します。翌年には教授としての地位を得る一方、1989年に定年で退官し、東京家政学院大学に移りました。1996年には同大学を退職します。

環境運動への関心

横山は教育者としてだけでなく、環境運動家としても活躍しました。1970年には「狛江多摩川左岸自動車道路に反対する会」を設立し、事務局長として反対運動を指導しました。その後も、狛江水辺の楽校運営協議会の会長としてや、多摩川流域リバーミュージアム検討協議会の代表を務めるなど、地域の環境保護に尽力しました。

多摩川水害とその影響

1974年9月、多摩川で発生した大水害により、横山の自宅が流失しました。甥の岸野雄一氏によれば、1977年のテレビドラマ『岸辺のアルバム』のオープニングに流れる映像に映っている家は横山のものであるとされています。この水害は、横山にとって個人的な悲劇であっただけでなく、地域の環境問題を考える契機となりました。

著作活動

横山は数多くの著書を執筆しており、教育や郷土史における貢献は計り知れません。彼の主な著作には、1957年の『中学社会歴史』、1964年の『学習人名新事典』、1968年の『上田藩農民騒動史』などがあります。また、義民や百姓一揆に関する研究書『義民 百姓一揆の指導者たち』や『義民伝承の研究』は、特に歴史研究において重要な位置を占めています。

共編著としても多くの著作があり、教育分野における横山の影響は広範囲に及びます。例えば、共著による『高校入試中学社会』や『くわしく学べる中学生の歴史』は、学生の学びを支える重要な資源となっています。

結び

横山十四男は、教育者・郷土史家・環境運動家として日本に深い足跡を残しました。彼の生涯を通じての学問と社会活動は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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