横浜動物の森公園

横浜動物の森公園（よこはまどうぶつのもりこうえん）

神奈川県横浜市の旭区と緑区にまたがる広大な敷地を持つ、横浜市立の広域都市公園です。総面積は約103.3ヘクタールに及び、その広大なエリア内に二つの主要な施設を擁しています。一つは、世界各地の動物が自然に近い環境で飼育展示されている人気の「よこはま動物園ズーラシア」で、公園面積の約半分にあたる約53.3ヘクタールを占めています。もう一つは、現在も整備が進められている約50.0ヘクタールの計画面積を持つ植物園エリアです。公園全体が豊かな自然に囲まれており、周辺には三保・新治市民の森や県立四季の森公園といった大規模な緑地が広がっているため、地域一帯が連続した広大な緑のネットワークを形成しています。

主な施設

公園の中心となる施設は、言わずと知れた「よこはま動物園ズーラシア」です。ここでは、生態系展示を取り入れ、動物たちが本来生息する環境を再現することで、生息地の雰囲気と共に動物を観察することができます。動物園の北側に位置する植物園エリアは、計画段階にありますが、2017年からはその一部、約20ヘクタールが「里山ガーデン」として期間限定で開園しており、四季折々の美しい花々や自然風景が楽しめます。これらに加え、希少動物の保護や繁殖研究を担う「繁殖センター」、公園内で発生する剪定枝などをリサイクルする「緑のリサイクルプラント」、そして来園者向けの「駐車場（有料）」といった施設が整備されています。

歴史

横浜動物の森公園の計画は、1984年6月1日に「都筑自然公園」という仮称で都市計画決定が行われたことに始まります。長い歳月を経て整備が進められ、1999年4月24日にまず動物公園部分の一部が開園しました。動物園は段階的にエリアを拡張し、2015年4月22日に最後のエリアである「アフリカのサバンナ」ゾーンが完成したことで、よこはま動物園ズーラシアは全面開園を果たしました。公園全体としても、2009年には第20回全国「みどりの愛護」のつどいの会場となり、同年には横浜開港150周年を記念する「開国博Y150」のサテライト会場の一つ「つながりの森」としても利用されました。この「つながりの森」会場は、当時まだ整備中だったズーラシアのアフリカのサバンナゾーンの予定地が活用されたものです。整備中の植物園エリアも活用が進められており、2015年11月からは全国都市緑化よこはまフェアの会場整備が開始されました。そして、2017年3月25日から6月4日にかけて開催された第33回全国都市緑化よこはまフェアでは、植物園予定地の一部が「里山ガーデン」としてメイン会場の一つとなり、多くの来場者で賑わいました。この里山ガーデンは、フェア終了後も同年秋に植栽を変更して再び公開され、2018年春以降も定期的な公開が行われています。これは、将来的に国際園芸博覧会（花博）の横浜開催を目指す市の取り組みとも連携しています。

イベント

公園はこれまでにいくつかの大規模なイベントの舞台となっています。2009年の「開国博Y150」では、ズーラシアの未開園エリアが「つながりの森」としてユニークな会場となり、イベントの一翼を担いました。また、2017年の「ガーデンネックレス横浜2017」として開催された第33回全国都市緑化よこはまフェアでは、整備中の植物公園予定地が「里山ガーデン」として整備され、美しい大花壇などが公開されました。この里山ガーデンは、その後も「里山ガーデン秋の大花壇公開」として秋にも公開されるなど、季節ごとに異なる景色が楽しめる場所として定着しつつあります。

交通アクセス

公園へのアクセスは、主に路線バスが便利です。里山ガーデンの正面入口は、よこはま動物園ズーラシアの北門から歩いてすぐの場所にあり、バス路線が利用可能です。通常は土日祝日のみ運行される北門行きのバスも、「里山ガーデン」でのイベント開催期間中は平日昼間も運行される場合があります。また、動物園の正門と北門の間を結ぶ無料送迎バスも運行されることがあります。里山ガーデンの東入口へは、相鉄バスの「西ひかりが丘」バス停から徒歩約4分でアクセスできます（鶴ヶ峰駅などからの路線があります）。地元の方向けの入口として、神奈川中央交通バス「自治会館前」バス停からもアクセスが可能です。徒歩でアクセスする場合、JR横浜線・市営地下鉄グリーンラインの中山駅からは、神奈川県立四季の森公園を経由して約3km、所要時間は約60分となります。植物公園予定地の周囲には林道が整備されており、ズーラシア方面への移動も可能ですが、夜間は通行止めとなるため注意が必要です。

周辺環境

横浜動物の森公園は、単独の公園としてだけでなく、周辺の広大な緑地との連携も特徴です。公園の北西には三保・新治市民の森が隣接し、北東へ約1キロメートルの場所には県立四季の森公園があります。これらの緑地が一体となることで、都市部における貴重な自然生態系が維持されています。また、公園と四季の森公園の間には神奈川大学附属中・高等学校があり、その敷地の一部も植林地として緑の景観を形成しています。

広大な敷地の中で、動物との出会い、美しい花々、そして豊かな自然散策を楽しむことができる横浜動物の森公園は、市民にとってかけがえのない憩いと学びの場となっています。

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