横浜市開港記念会館

横浜市開港記念会館について

横浜市開港記念会館は、神奈川県横浜市中区の関内地区に位置する歴史的な建築物で、日本の重要文化財に指定されています。この建物は、横浜港の開港50周年を祝うために建設されたもので、1917年に完成しました。開館以来多くの歴史を経ており、その姿は時間と共に変化しながらも、地域のシンボルとしての役割を果たし続けています。

建設の歴史

1909年、横浜港開港50周年の祝典の一環として、開港記念会館の建設が決定されました。当時、市の有志による寄付金集めが行われ、設計コンペも実施されました。その結果、福田重義の案が選ばれ、1914年に工事が始まりました。

1917年には建物が完成し、7月1日に「開港記念横浜会館」として正式に開館しました。当時は大隈重信や徳川家達といった著名人が開館式に参加し、盛大に祝われました。しかし、1923年に関東大震災が発生し、会館は全焼してしまいました。残ったのは時計塔と一部の壁体のみでした。

その後、1927年に震災からの復旧工事が行われ、初期のデザインが再現されました。ただし、ドーム部分は復元されなかったため、その後、1989年にようやくドームが再建されました。これにより、横浜市開港記念会館は国の重要文化財に指定され、地元住民や観光客にとって重要な文化的施設となりました。

建築様式とデザイン

開港記念会館は、辰野式フリークラシックのスタイルで設計されました。初期の設計者には福田重義のほか、山田七五郎も名を連ねています。当時の建築技術を駆使し、独特の美しさを持つこの建物は、大正期の公会堂建築の中でも特に有名な存在です。

さらに、復興デザインが加わったことで、今の姿に至っています。特に、約36mの高さを誇る時計塔は「ジャックの塔」と呼ばれ、地元では親しまれています。また、神奈川県庁本庁舎や横浜税関本関庁舎と共に「横浜三塔」と称されるほどの存在感を放っています。

利用状況

現在、横浜市開港記念会館は横浜市中区の公会堂として忙しく利用されています。地上2階と地下1階に加え、塔を持つこの建物には、481席の講堂や9室の会議室、資料コーナーなどの施設があります。過去には地下階でダンスホールや食堂として賑わっていましたが、現在はボイラー機械室として使用されています。

アクセスと周辺情報

横浜市開港記念会館へのアクセスは非常に便利で、JR・地下鉄関内駅から徒歩10分、桜木町駅からは徒歩18分の距離です。また、みなとみらい線の日本大通り駅からは徒歩1分ほどで到着します。この立地条件により、多くのイベントや会議が開催されており、地域活動の中心地としての役割を果たしています。

建物周辺には、神奈川県庁舎や横浜税関があり、地域の歴史を感じられるスポットとしても知られています。さらに、文化的なイベントや展覧会も行われるため、訪れる人々に多くの感動を与えています。

横浜市開港記念会館は、歴史的な価値に加え、地域文化を支える重要な役割を持つ施設です。観光客はもちろん、地元住民にとっても愛される場所として、これからも多くの人々に利用され続けることでしょう。

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