横浜高速鉄道Y000系電車

横浜高速鉄道Y000系電車は、1999年に営業運転を開始した、こどもの国線専用の通勤形電車です。車両の所有は横浜高速鉄道ですが、運行・整備は東急電鉄が行っており、東急3000系電車をベースに製造されています。

概要

Y000系は、こどもの国線の通勤路線化に合わせて、老朽化した旧7000系を置き換えるために導入されました。2両編成3本（計6両）が東急車輛製造で製造され、東急電鉄長津田検車区に配置されています。

外観

軽量ステンレス車体にFRP製の前面を取り付けた構造で、前面には非常扉があります。外観は東急3000系とほぼ同じですが、前照灯・尾灯が丸形であること、客用扉が片側3箇所であること、側面行先表示器がないことなどが異なります。車体には、イエローとスカイブルーのラインが配され、それぞれ「未来への夢と希望」「ミナト横浜の海と澄みわたった空」をイメージしています。

内装

客室も東急3000系に準じた仕様で、ベージュ系の化粧板と薄茶色の床材が使用されています。側窓は一枚下降窓と一枚固定窓が交互に配置され、遮光用のロールカーテンも設置されています。座席はバケットタイプのロングシートで、モケットは3人分ごとに異なる4色が使用されています。各車両には優先席と車椅子スペースが設けられており、ユニバーサルデザインにも配慮されています。車内にはLED式の車内案内表示器や自動放送装置が設置されています。

主要機器

主制御器と補助電源装置は東芝製で、VVVFインバータ制御を採用しています。台車は東急車輛製造製のボルスタレス台車を使用し、防音車輪が採用されています。主電動機は190kWの三相誘導電動機で、駆動装置はTD継手式の中実軸平行カルダンです。

保安装置

ATC-P装置を搭載し、こどもの国線・東急田園都市線で使用されています。また、誤開扉防止機能や列車無線装置も搭載されています。

運用

Y000系は、通常は2両編成で運行されていますが、多客時には2編成を連結した4両編成で運行されることもあります。また、長津田駅や長津田検車区での入換作業の牽引車としても使用されています。

ラッピング車両

Y000系には、沿線活性化イベントの一環として、牛をイメージした「うしでんしゃ」と羊をイメージした「ひつじでんしゃ」のラッピング車両があります。これらの車両は、外装だけでなく内装にも牧場風景をイメージしたラッピングが施され、人気を集めています。

参考文献
服部典夫・佐藤浩規 「横浜高速鉄道Y000系」『鉄道ピクトリアル』1999年10月号（通巻675号） 鉄道図書刊行会
佐藤浩規 「横浜高速鉄道Y000系」『鉄道ピクトリアル』2000年10月臨時増刊号（通巻692号）特集・新車年鑑2000年版 鉄道図書刊行会
* 交友社編集部 「CAR INFO 横浜高速鉄道Y000系」『鉄道ファン』1999年10月号（通巻462号） 交友社

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