横浜高速鉄道Y500系電車

横浜高速鉄道Y500系電車

横浜高速鉄道Y500系電車は、2004年2月1日の横浜高速鉄道みなとみらい線開業に合わせて導入された通勤形電車です。東急5000系電車(2代)と共通設計を採用することで、コスト削減と標準化を図っています。ここでは、Y500系の概要、外観、内装、導入後の変遷について詳しく解説します。

概要

Y500系は、「標準化による低コスト化」「快適な移動空間の提供」「環境へのやさしさ」を基本コンセプトとして設計されました。東急車輛製造で製造され、直流1,500V架線集電方式、20m級4ドアの軽量ステンレス鋼製車体を採用しています。当初は8両編成6本（計48両）が製造されました。

外観

「みなとヨコハマ」をイメージしたデザインが特徴的です。「伸びゆく都市」をイメージした薄い青色、「みなとヨコハマの海」をイメージした濃い青色（ネイビーブルー）を基調とし、海から都市への連続性を表す黄色のグラデーションが用いられています。

側面の幕板部には薄い青色の帯が入り、先頭部と各連結部にはみなとみらいの「M」をモチーフにしたグラデーション模様が描かれています。このグラデーション内には、横浜の伝統産業であるスカーフの絵柄（船の操舵輪やランプなど）があしらわれています。

内装

車内はライラック系の色調で統一されています。座席は一般部が紫系、優先席部が青系のモケットで、車体側面と同様に「横浜スカーフ」の絵柄が取り入れられています。

各ドアには号車とドアの位置を点字・絵的表示・文字で表示するなど、バリアフリー化にも配慮されています。車内案内表示器として15インチのLCDが設置され、扉の開閉時には東急5000系列とは異なるドアチャイムが使用されています。

導入後の変遷

副都心線直通対応

2013年3月16日に開始された東京メトロ副都心線との直通運転に対応するため、2011年度より改造工事が実施されました。

元住吉駅追突事故

2014年2月15日に発生した東急東横線元住吉駅追突事故により、Y516Fは大きな損傷を受け、最終的に廃車となりました。損害賠償として、東急5050系5156Fが譲渡され、Y517Fとして横浜高速鉄道に編入されました。

Y517Fの誕生

譲渡されたY517Fは、外装・内装を他のY500系車両と揃える改造を受けました。ただし、車両寸法の違い、行先表示器、前照灯、冷房装置、座席の形状、妻引戸などに差異が見られます。

ラッピング車両

過去には、みなとみらい地区で開催されるイベントに合わせて、Y511Fにプリキュアをラッピングした車両が運行されました。また、横浜DeNAベイスターズのロゴや選手をデザインしたラッピング車両も毎年運行されています。

編成表

Y500系は、4M4Tの8両編成で構成されています。車椅子スペースは2号車と7号車に、側面非常ハシゴは4号車と5号車に設置されています。

運用

Y500系は、みなとみらい線と東急東横線を中心に運用されています。東京メトロ副都心線を経由して、東武東上本線や西武池袋線にも乗り入れています。東横線内の特急・通勤特急や副都心線内の急行・通勤急行には原則として使用されません。

特別な運行

みなとみらい線沿線で開催されるイベントとタイアップして、ヘッドマークを装着して運転することがあります。また、横浜DeNAベイスターズのロゴのヘッドマークやステッカーを装着して運転することもあります。

Y500系は、横浜の街を彩る通勤電車として、今日も走り続けています。

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