横澤由貴

横澤由貴：銀メダルに輝いた柔道家、その後の人生

横澤由貴（よこさわ ゆき）は、1980年10月29日生まれの元女子柔道選手です。群馬県前橋市出身で、52kg級の選手として活躍しました。身長153cmと小柄ながら、右組みからの粘り強い柔道で数々の実績を残しました。

柔道との出会いと才能の開花

横澤が柔道を始めたのは小学校2年生の時。地元の大胡町スポーツ少年団でした。大胡中学、前橋東高校と進み、高校2年生の時には全国高校選手権52kg級で優勝。早くからその才能を開花させました。

1999年には三井住友海上に入社し、本格的に柔道に取り組みます。2001年には体重別で初優勝を飾り、アジア選手権、東アジア大会でも優勝。しかし、世界選手権では5位に終わります。その後、福岡国際で優勝を果たし、着実に実力をつけていきました。

アテネオリンピックでの銀メダル

2004年、横澤はアテネオリンピックの代表に選出されます。準決勝では、前年の世界選手権金メダリストであるキューバのアマリリス・サボンと対戦。残り1秒で袖釣込腰による劇的な一本勝ちを収めました。しかし、決勝では中国の冼東妹に横四方固で敗れ、銀メダルを獲得しました。

オリンピック後も、2005年の世界選手権で2位になるなど、国内外の大会で活躍を続けましたが、2008年の体重別で敗れ、北京オリンピック代表を逃し、現役引退を表明しました。

引退後、カナダへ

引退後、横澤は三井住友海上のセカンドキャリア支援制度を利用してカナダのバンクーバーに1年間留学。語学学校に通いながら、地元の柔道クラブで柔道を教えました。そこで出会った男性と国際結婚し、現在はバンクーバーで子育てをしながら柔道を指導しています。

ドーピング問題

2004年のフランス国際で2位になった際、ドーピング検査で陽性反応が出ました。しかし、意図的な使用はなかったと判断され、厳重注意にとどまりました。アテネオリンピックには出場できたものの、フランス国内での大会参加は半年間認められないという処分を受けました。

横澤由貴の柔道

小柄ながらスタミナがあり、寝技を得意としていました。高校時代は背負投を連発する戦い方をしていましたが、実業団で袖釣込腰や大内刈りを身につけ、世界で活躍できる選手へと成長しました。

主な戦績

1998年 - 全国高等学校柔道選手権大会 優勝
2001年 - 体重別 優勝
2001年 - アジア選手権 優勝
2001年 - 東アジア大会 優勝
2004年 - 体重別 優勝
2004年 - アテネオリンピック 2位
2005年 - 世界選手権 2位

得意技

背負い投げ
袖釣込腰
小内刈り

横澤由貴は、その粘り強い柔道と、引退後の国際的な活躍で、多くの人々に感動を与え続けています。

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