樫尾和雄

樫尾和雄：カシオ計算機を世界的企業へ導いた立役者

樫尾和雄（1929年4月19日 - 2018年6月18日）は、日本の実業家であり、カシオ計算機創業メンバーの一人です。「樫尾四兄弟」の三男として生まれ、カシオ計算機の発展に大きく貢献しました。

若き日の決断と計算機開発への貢献

東京都出身の樫尾和雄は、1949年に日本大学高等師範部英語科を卒業後、兄・忠雄が創業した樫尾製作所に入社します。当時、樫尾製作所は電気計算機の開発を手がけており、和雄は忠雄と共に開発に没頭。それまでの職を辞してまで、家業を助けることを決意したのです。そして1957年、計算機の商業化成功を機に、兄弟と共にカシオ計算機を設立しました。

営業担当としての才能開花と数々のヒット商品

カシオ計算機では、主に営業を担当。その才能を発揮し、数々の革新的な製品を世に送り出しました。世界初の個人向け電卓「カシオミニ」の企画はその代表例です。当時、高価だった電卓を一般の人々にも手軽に使えるようにしたカシオミニは、爆発的なヒットとなりました。また、デジタル式腕時計「G-SHOCK」やデジタルカメラ「QV-10」の企画にも関わり、これらの製品を一般化させ、新たな市場を創造しました。

社長就任と長年にわたる経営

1988年12月、樫尾和雄はカシオ計算機の社長に就任。2015年6月までの26年以上にわたり、その重責を担いました。社長として、カシオ計算機のさらなる発展に尽力し、グローバル企業としての地位を確立しました。また、公益財団法人カシオ科学財団の評議員も務め、科学技術の振興にも貢献しました。

晩年と家族

2018年6月18日、誤嚥性肺炎により89歳で死去。その生涯をカシオ計算機の発展に捧げました。

カシオ計算機設立時の社長である樫尾茂は父。共にカシオ計算機を創業した長兄の樫尾忠雄、次兄の樫尾俊雄、弟の樫尾幸雄は「カシオ四兄弟」として知られています。また、2015年よりカシオ計算機社長を務める樫尾和宏は息子にあたります。甥には、樫尾彰、樫尾隆司、樫尾哲雄がおり、それぞれカシオ計算機や関連法人で要職を歴任しています。

樫尾和雄は、カシオ計算機を世界的な企業へと成長させた功労者として、その名は永く記憶されることでしょう。

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