樫尾忠雄

樫尾忠雄

樫尾忠雄（かしお ただお、1917年11月26日 - 1993年3月4日）は、日本の実業家であり、カシオ計算機の創業者として知られています。

経歴

高知県長岡郡久礼田村（現在の南国市）で生まれ、1923年に家族と共に東京へ移住。旋盤工としてキャリアをスタートさせ、機械や道具の製作に携わりました。早稲田工手学校（現・早稲田大学）で学びました。

1946年、東京都三鷹市に樫尾製作所を設立。弟の俊雄が逓信省を退官後に参加し、俊雄が考案した「指輪パイプ」の成功により得た資金を元に、電気式計算機の開発に着手しました。さらに、俊雄の兄弟である和雄と幸雄も加わり、1957年に製品化に成功。同年、カシオ計算機が設立され、初代社長には忠雄ら兄弟の父である樫尾茂が就任しました。1960年5月、忠雄自身が社長に就任。

カシオ計算機は、電子式計算機の導入では他社に遅れを取りましたが、その後急速に巻き返し、1960年代後半には海外市場へも進出しました。1972年には、世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」を当時としては画期的な1万円台で発売し、大ヒットを記録。カシオは電卓メーカーとしての地位を確立しました。

その後も、カシオ計算機はG-SHOCK、カシオトーン、カシオトロン、ペラなど、数々の革新的な製品を世に送り出しました。

1988年に相談役となり、日本経済新聞に兄弟との日々を綴った「私の履歴書」を連載。これは後に「兄弟がいて」という題名で単行本化されています。

1993年3月4日に逝去。

親族

長兄の忠雄を含めた4人の兄弟がカシオ計算機を創業しました。他の3人は、俊雄（元名誉会長）、和雄（元会長）、幸雄（特別顧問）です。

2015年からは、樫尾和雄の息子である樫尾和宏がカシオの社長を務めており、忠雄の甥にあたります。

カシオ計算機の主な製品

電卓（カシオミニなど）
G-SHOCK
カシオトーン
カシオトロン
* ペラ

樫尾忠雄は、革新的な発想と兄弟との強い絆で、カシオ計算機を世界的な企業へと成長させました。彼の功績は、日本のエレクトロニクス産業の発展に大きく貢献しています。

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