橋本三治

橋本三治六段：順位戦の浮沈と新人王戦準優勝

橋本三治（はしもと さんじ、1925年12月12日 - 2002年2月3日）は、日本のプロ将棋棋士でした。棋士番号は58番。兵庫県尼崎市に生まれ、木見金治郎九段門下として研鑽を積みました。同門には、大野源一、角田三男、升田幸三、大山康晴といったそうそうたるメンバーが名を連ねています。

1952年、順位戦C級2組に初参加。9勝3敗の好成績でC級1組へ昇級を果たします。しかし、翌年には2勝10敗と低迷し、C級2組へ降級。その後も順位戦では浮き沈みを繰り返すこととなります。

1960年にはC級2組順位戦で2勝11敗と大きく負け越してしまい、その後4年半もの間、予備クラス（奨励会三段が所属したクラス）で棋戦を戦うこととなりました。予備クラスから順位戦に復帰した棋士は非常に少なく、橋本三治はその稀有な存在の一人でした。この期間、6期目には関西優勝を果たすも、決勝で関東優勝の米長邦雄九段に敗れ、敗者復活戦でも大内延介六段に敗れ、順位戦復帰はなりませんでした。しかし、9期目に再び関西で優勝すると、今度は関東優勝の桜井昇六段を破り、念願の順位戦復帰を果たしました。

順位戦復帰後も、橋本三治の戦いは波乱含みでした。1967年には3勝9敗と大きく負け越して降級点、翌1968年も3勝9敗と連続で降級点を喫してしまいます。その後3年間は指し分けを続けたものの、1973年には3勝7敗と再び大きく負け越してしまい、3つ目の降級点を獲得、順位戦から陥落しました。

しかし、橋本三治は諦めませんでした。1970年、年齢制限のない第1回新人王戦に45歳という年齢で出場。決勝まで勝ち進み、見事準優勝という輝かしい成績を残しました。決勝では、29歳の山口英夫六段に2連敗を喫しましたが、ベテラン棋士としてその実力を遺憾なく発揮しました。この活躍は、多くの将棋ファンの記憶に強く刻まれています。

1985年、橋本三治は引退を迎えました。通算成績は191勝336敗。引退後も将棋界への貢献は続き、「半九郎」というペンネームで観戦記者を務めるなど、幅広く活躍しました。

昇段履歴は以下のとおりです。

1947年：3級
1951年4月1日：四段
1953年：五段
1973年：六段
1985年4月：引退
1993年11月：七段（引退後昇段）
2002年2月3日：逝去（享年76）
2003年2月3日：八段（追贈）

主な成績は、新人王戦準優勝（第1回）です。順位戦での苦闘、新人王戦での活躍、そして引退後の観戦記者としての活動。橋本三治は、将棋界に多大な足跡を残した棋士と言えるでしょう。彼の波乱に満ちた棋士人生は、後世の棋士たちにとって貴重な教訓となることでしょう。

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