橘港

橘港（たちばなこう）

橘港は、徳島県阿南市に位置する港湾であり、港湾法上の重要港湾に指定されています。港湾管理者は徳島県が担っており、県によって防災拠点港としての役割も担っています。

歴史

橘湾は、剣山山系が冬の偏西風を、蒲生田岬が台風の波浪を防ぐという地理的特性から、天然の良港として古くから利用されてきました。昭和初期には阪神地方と高知県方面を結ぶ中継港として栄え、1950年からは港湾改修事業によって公共物揚場が整備されました。1963年には四国電力阿南発電所が操業を開始し、1964年の徳島地域新産業都市指定を受けて、1965年には西浜地区公共埠頭が整備されました。幸野地区には、1967年から1969年にかけて造成された工業用地に日本電工（現 新日本電工）が進出しました。昭和40年代後半には小勝島周辺への造船所誘致計画がありましたが、オイルショック後の造船不況により中止となり、後に石炭火力発電所が建設されました。四国電力橘湾発電所と電源開発橘湾火力発電所は、いずれも2000年に営業運転を開始しています。

埠頭

刈又埼と見能林の間の湾に、大潟地区、幸野地区、西浜地区、中浦地区が位置しています。大潟地区と幸野地区の間には答島地区があり、伊島への連絡船が発着します。幸野地区の対岸には小勝島があります。

阿南市によって大潟新浜工業団地が造成された新浜地区に隣接する大潟地区では、2001年度に耐震強化岸壁などが供用開始されました。幸野地区には四国電力阿南発電所と新日本電工徳島工場が立地しており、新日本電工は原材料輸入のために専用桟橋を整備しています。西浜地区の公共埠頭は老朽化が進んでおり、徳島県による再整備が進められています。中浦地区には公共埠頭と緑地が整備され、緑地は1993年の東四国国体でホッケー会場として使用されました。答島地区では旅客船のほか、石灰石の受け入れも行われています。

取扱品目

2020年度の貨物取扱量は9,884,480トンでした。内訳は、外貿輸入8,336,590トン、輸出66,069トン、内貿移入438,094トン、移出1,043,727トンです。輸入貨物の94%を発電用石炭が占めており、その他に新日本電工徳島工場で使用されるマンガン鉱石が年間約40万トン輸入されています。輸出品目は窯業品が約6割、金属鉱が約4割となっています。

2018年度の統計によると、答島地区で荷受けされる石灰石は8.9万トンで、徳島県内の取扱量の大部分を占めています。西浜地区物揚げ場で取り扱われる砂利・砂は約8万トンで、県内総取扱量の約23%を占めています。

旅客航路

阿波橘駅近くの答島地区（答島港）と伊島を結ぶ連絡船が1日3往復運航しています。

外部リンク

橘港 - 国土交通省四国地方整備局港湾空港部
橘港港湾計画 - 徳島県土整備部運輸政策課

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