機種変更

機種変更とは

機種変更とは、携帯電話やPHSの利用者が、現在の回線契約と電話番号をそのまま引き継ぎ、別の端末に移行する手続きのことです。主に端末を買い替える際に必要となり、「機種変」や「機変」と略されることもあります。

この概念は、SIMカードを使用しない方式の端末に適用されます。SIMカード対応機種の場合は、端末を買い増すという扱いになり、機種変更とは区別されます。これは、SIMカードを入れ替えることで、古い端末も引き続き利用できるためです。

機種変更の手続き

機種変更は、通信事業者が認めた店舗で手続きを行う必要があり、ユーザー自身で行うことはできません。手続きには、事業者が用意した専用の装置を使用します。ただし、SIMカードを採用した機種では、ユーザー自身がSIMカードを入れ替えるだけで使用できる場合もあります。

店舗では、「新規契約用」と「機種変更用」の端末が区別して在庫されています。新規契約用端末には電話番号が付随していますが、機種変更用端末にはありません。

機種変更端末の価格

一般的に、機種変更用端末の販売価格は新規契約用よりも高価です。これは、新規契約では料金収入の増加が見込めるため、値引きが可能ですが、機種変更は直接的な増収につながらないため、値引きが難しいからです。

しかし、機種変更が進まないと新しいサービスの普及が遅れるため、通信事業者は機種変更を促進する施策を行っています。例えば、一定期間以上利用しているユーザーに対して割引を提供したり、ポイントによる割引サービスや期間限定のキャンペーンを実施しています。

また、既存の端末が故障などで使用できなくなった場合は、無料または格安で機種変更できるケースも多いです。ただし、これらの割引キャンペーンは、有料のオプションサービスの契約を条件としている場合があります。

機種変更の際には、端末の購入が一般的ですが、ユーザーが別途用意した端末を持ち込んで手続きを行うことも可能です。これは「持ち込み機種変更」と呼ばれますが、事業者によっては一定の制約がある場合があります。

機種変更後の端末

機種変更を行うと、元の端末は白ロムとなり、契約情報を登録しない限り通信に利用できなくなります。事業者はリサイクルのため端末の引き取りを行っていますが、多くのユーザーは個人情報やカメラ機能の利用などを理由に、端末を持ち帰る傾向があります。

機種変更は、通常、より新しい機種や上位機種に対して行われますが、ユーザーの状況によっては古い機種や下位機種に変更されることもあります。

日本における機種変更の対象端末

2014年現在、日本では以下の通信方式の端末で機種変更が行われています。

NTTドコモ：FOMA、Xi
KDDI（au）：CDMA 1X WIN、au 4G LTE
ソフトバンク：SoftBank 3G、SoftBank 4G、SoftBank 4G LTE
ウィルコム：W-SIMを採用していない端末

契約変更とは

契約変更とは、同じ通信事業者内で、異なる通信方式の端末に契約を移行することを指します。特に、第3世代携帯電話から第4世代携帯電話への移行が該当します。

通信事業者は、ユーザーが新しい方式に移行することを推奨するため、契約変更用端末の販売価格は新規契約用とほぼ同じくらいに値引きされるのが一般的です。

また、新しい方式の電波状況や端末に不満がある場合は、元の方式に戻すことも可能です。

日本における契約変更の対象端末

2015年現在、日本では以下の通信方式の間で契約変更が行われています。

NTTドコモ：FOMAとXi/PREMIUM 4G、XiとFOMA/PREMIUM 4G、PREMIUM 4GとFOMA/Xi
KDDI（au）：CDMA 1X WINとau 4G LTE/au 4G LTE(VoLTE)、au 4G LTEとCDMA 1X WIN/au 4G LTE(VoLTE)、au 4G LTE(VoLTE)とau 4G LTE/CDMA 1X WIN
ソフトバンク：SoftBank 3G/SoftBank 4GとSoftBank 4G LTE、SoftBank 4G/SoftBank 4G LTEとSoftBank 3G
ウィルコム：従来型PHSとWILLCOM CORE 3G

古い方式のサービスが終了する際には、ユーザーが希望すれば新しい方式への契約変更が優遇されます。端末価格や手数料が大幅に割引されるのが一般的です。また、端末の不具合やネットワークの改修により機種が使用できなくなった場合も、同様に格安で新しい端末が提供される措置が取られることがあります。

注意点

同じ事業者内での通信方式の変更であっても、契約を継続せずに電話番号が変わる場合は、契約変更とはみなされず、解約と新規契約の扱いになります。ただし、ウィルコムのケースのように、例外的に契約変更とみなされる場合もあります。