次大王

次大王の生涯

次大王（じだいおう、71年 - 165年）は、高句麗の第7代の王として146年から165年まで在位しました。本名は遂成（すいせい、スソン）で、姓は高です。彼の系譜については、史書による記録が複数存在し、先代である太祖大王の同母弟とされるほか、太祖大王の子とする記載もあります。このように、次大王の血筋や政治的背景には複雑な事情があることが窺えます。

即位までの経緯

次大王は太祖大王の69年（121年）、後漢からの侵攻に際して、王の命を受けて2000の兵士を率い高句麗内の敵勢力に立ち向かいました。この戦いで成功を収め、逆に敵の土地を攻め捕虜を得るなど、立派な軍功を挙げました。しかし、132年7月頃から次大王は周囲の取り巻きと共に王位を狙う動きを始めました。

146年7月、遂成は太祖大王を暗殺しようとしましたが、その謀議を誰かに口外され、その者を口封じのために殺害しようとします。その後、高福章ら右輔は太祖大王に対し、遂成が反乱を起こそうとしていると進言し、遂成の処刑を勧めましたが、太祖大王は遂成の以前の勲功を考慮して、146年12月に後を譲ることとなります。このように、遂成は76歳で王位に就くことになります。

王位とその後の統治

即位後、次大王は彼を支える者たちを高い地位に引き上げ、自らの政敵である高福章や太祖大王の嫡子莫勤（ぼきん）を排除しました。莫勤の弟である莫徳（ぼとく）は兄の死に動揺し、自ら命を絶つ道を選びます。反対勢力を確実に排除した次大王は、次第に暴政を強め、人民に大きな苦痛を与えることになります。

終焉とその影響

その後、165年10月、臣下の明臨答夫により弑逆される事態となります。次大王の死をもって彼に贈られた諡号は「次大王」であり、彼の埋葬地については伝わっていません。さらに『三国遺事』によると、165年には太祖大王と次大王がいずれも新王（新大王）によって命を奪われたと記載されています。

次大王の治世は、高句麗の歴史において混乱と悲劇の象徴とも言える時代でした。王位を獲得するために何人もの命が散り、結果として国の内外で不安定な状況を生み出しました。彼の治世は、また王権の危うさや、権力闘争の厳しさを物語っているのです。

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