歌川芳豊 (2代目)

二代目 歌川芳豊（にだいめ うたがわ よしとよ、弘化元年11月6日〈1844年12月15日〉 - 没年不明）は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師です。

来歴

初代歌川芳艶、及び歌川芳豊の門人。本姓は川守、俗称は栄太郎。歌川の画姓を称し、一毫斎と号しました。浅草茅町に住んでいたとされています。

幼少期は苦労が多く、3歳の時に父親を亡くし、幼い頃から商家に奉公に出ていました。しかし、絵師になる夢を諦めきれず、実家に戻り絵師になることを懇願。15歳の時に母親が芳艶に入門させました。その後、歌川芳虎や歌川芳盛の食客となり、さらに初代芳豊の門人となります。慶応2年（1866年）に初代芳豊が亡くなると、その遺言により翌年二代目芳豊を襲名しました。

二代目芳豊としての作画期は、慶応から明治40年（1907年）頃にかけて。明治40年前後には、初代芳豊と同様に浅草茅町から柳原土手にあった際物問屋・長谷川久美之助の長谷川商店へ通い、盛んに凧絵を描いていたといいます。息子に川守梅香がおり、彼もまた主に凧絵を描きました。

二代目芳豊は後進の育成にも力を注ぎ、門人には歌川豊月、橋本留吉などがいます。橋本留吉も凧絵師となり、その門人には橋本禎造がいます。

作品

「成歓駅勝戦ノ図」　大判3枚続錦絵（国立国会図書館所蔵）※明治27年(1894年) 、長谷川久美之助版。日清戦争の戦争絵。

参考文献

井上和雄編　『浮世絵師伝』　渡辺版画店、1931年　※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり
日本浮世絵協会編　『原色浮世絵大百科事典』（第2巻）　大修館書店、1982年
橋本禎三・きよ・喜多川周之　『江戸凧三代』　徳間書店、1978年

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