歌川芳鶴

歌川芳鶴（うたがわ よしつる）

歌川芳鶴（生没年不詳）は、江戸時代に活躍した浮世絵師です。歌川国芳に師事し、幅広いジャンルの作品を手がけました。

来歴

芳鶴は、歌川国芳の門人として知られています。俗称は長次郎、一声斎とも号しました。幼少の頃に両親を亡くし、日本橋本石町二丁目に住む踊りの師匠、藤間トセに育てられました。友人である歌川芳艶が国芳に入門したことをきっかけに、自身も国芳の門を叩いたとされています。

芳鶴の作画期は、天保から嘉永の頃にかけてと推定されています。この時期に、武者絵、役者絵、美人画、彫物の下絵、合巻や絵本の挿絵など、多岐にわたる作品を制作しました。また、師である国芳の代筆も行っていたと伝えられています。生年は明らかではありませんが、『浮世絵師人名辞書』には「弘化の頃、33歳で没した」という記述があります。

作品

芳鶴は、合巻、絵本、錦絵など様々な形式で作品を発表しました。以下に代表的な作品を挙げます。

合巻
『祝言千箱玉』 美図垣笑顔作、天保12年（1841年）刊行
『絵巻物今様姿』 笑顔作、天保13年
『犬神太郎暴悪譚』 雪麿作、同年刊行
『正本由良湊』 笑顔作、嘉永3年（1850年）刊行
絵本
『もゝ太郎』 刊行年不明、「一声斎芳霍」の署名
錦絵
「風流美人ぞろい影のおもかげ」 大判錦絵
「大黒天喫煙」 大判錦絵 嘉永元年
「九月 恵比須と大黒」 大判錦絵
「三浦畠山衣笠合戦之図」 大判錦絵2枚続 静岡県立中央図書館所蔵 天保14年 - 弘化4年

参考文献

桑原羊次郎 『浮世絵師人名辞書』 教文館、1923年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。19コマ目。
日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』（第2巻） 大修館書店、1982年

関連項目

浮世絵
歌川国芳

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