正平 (日本)

正平元号の概要

正平（しょうへい、旧字体：正平󠄁）は、日本の南北朝時代に使用された元号の一つです。この元号は南朝に属し、興国の後、次の元号である建徳の前の期間、つまり1346年から1370年の約24年間にわたって存在しました。

時代背景

この時代、日本は南北朝の分裂期にあたり、南朝と北朝がそれぞれ異なる天皇を擁していました。南朝の天皇には後村上天皇と長慶天皇がいた一方、北朝には光明天皇、崇光天皇、後光厳天皇が存在しました。また、室町幕府の将軍としては足利尊氏、足利義詮、足利義満がその時代を統治していました。

正平は、明治、昭和、応永、平成、延暦などと並んで、歴代元号の中でも6番目に長く、特に一世一元の制が施行される以前に遡れる元号の中では3番目に長い期間を有しました。

改元の経緯

正平元号は、興国7年12月8日、ユリウス暦1347年1月20日に改元されました。そして、正平25年7月24日（ユリウス暦1370年8月16日）には建徳に改元され、正平の時代は幕を閉じます。この間に、さまざまな出来事が起こりました。

正平期間の出来事

正平の期間中には多くの歴史的な出来事がありました。特に注目されるのは、正平6年に北朝が廃止され、南朝だけが存続する状態が成立した「正平の一統」です。この一時的な南朝の統一は、その後の正平7年に北朝が復活することによって終焉を迎えました。

また、正平16年の6月24日には大地震が発生しました。これこそが「正平地震」として知られ、歴史書『太平記』に記録された出来事の一つです。これは、南海トラフの巨大地震と推定され、多くの被害をもたらしたとされています。

歴史との関連

正平という元号に関連して、中国の南北朝時代における北魏の元号としても「正平」が存在しており、451年から452年の間に使用されていました。このように、正平は日本と中国の歴史においても重要な意味を持つ元号と言えるでしょう。

このように、正平はただの元号ではなく、当時の政治的な状況、社会的な変化、地震災害などが交錯した特異な時代を映し出す鍵となる存在です。

もう一度検索