正義党

アルゼンチンの正義党：ペロン主義を掲げる最大政党

正義党（Partido Justicialista、略称PJ）は、ペロン党としても知られ、アルゼンチンにおける最大政党です。その支持者はペロニスタと呼ばれています。

概要

1947年にフアン・ペロン大統領によって結成されて以来、アルゼンチン政治において中心的な役割を果たしてきました。1955年から1973年までは軍事クーデターの影響で非合法化されましたが、ペロン復権後は再び勢力を拡大しました。しかし、財政規律を無視した左派ポピュリズム政策により、度々国家デフォルトやIMFへの支援要請を招いた歴史も持ちます。

2021年時点では、党内に対外債務問題への対応を巡り路線の違いがあります。IMFの指導に従い財政規律を重視する中道左派のフェルナンデス大統領派と、従来の政策を主張する急進左派が混在している状況です。

特徴

正義党は、特定の政治思想に偏らず、ペロン大統領の支持を基盤とした多様なグループの集合体として成立しました。1973年以降は、左派に加えてホセ・ロペス・レガのような極右グループも包含し、その多様性を増しました。

民政移管後の1983年の総選挙では急進市民同盟に敗北したものの、1989年にはカルロス・メネムが大統領に就任し政権を奪還。メネム大統領は、新自由主義政策を導入し、正義党のイメージを大きく変えました。1999年の選挙では敗北したものの、2001年の議会選挙で勢力を回復し、アルゼンチン経済危機の混乱の中、エドゥアルド・ドゥアルデが大統領に選出されました。

2003年の総選挙では、有権者の支持が分裂しましたが、ネストル・キルチネルが大統領に選出され、正義党は左派的な側面を強めました。2005年の議会選挙では、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネルがイルダ・ゴンサレス・デ・ドゥアルテを破り、党内の勢力争いを制しました。

主な出身大統領

正義党からは、以下のような大統領が輩出されています。

フアン・ドミンゴ・ペロン（1946-1955, 1973-1974）
イサベル・ペロン（1974-1976）
カルロス・メネム（1989-1999）
アドルフォ・ロドリゲス・サア（2001、暫定）
エドゥアルド・カマーニョ（2001-2002、暫定）
エドゥアルド・ドゥアルデ（2002-2003、暫定）
ネストル・キルチネル（2003-2007）
クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル（2007-2015）
アルベルト・フェルナンデス（2019-2023）

関連項目

ペロン主義
正義党 (曖昧さ回避)

外部リンク

Partido Justicialista（スペイン語）

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