武信稲荷神社

武信稲荷神社について

武信稲荷神社（たけのぶいなりじんじゃ）は、京都府京都市中京区に位置する、古い歴史を持つ神社です。神社は村社としての位置付けを持ち、特に必勝や命名、名付けに関するご利益があるとされています。これにより、地元の人々を中心に多くの参拝者が訪れる神社として知られています。

祭神について

この神社には3柱の祭神が祀られており、宇迦之御魂大神（うがのみたまのおおかみ）、佐田彦大神（さだひこのおおかみ）、大宮能売大神（おおみやのめのおおおかみ）です。これらの神々は、農業や商売の繁栄、家庭の幸せを願って信仰され、特に農作物の豊穣をもたらす神として知られています。

歴史的背景

武信稲荷神社の創建は859年（貞観元年）にまで遡ります。この神社は、藤原良相によって創設されました。当初、境内の北側には学問所である勧学院があり、西側には延命院という療養施設が存在しました。これに伴い、神社はその守護社として祀られていました。その後、藤原武信という信者が現れ、彼の信仰が広がるにつれ「武信稲荷」と呼ばれるようになりました。

寛永年間には青山播磨守の藩邸となり、元禄年間には現在の場所に祭祀が行われるようになります。明治6年（1877年）には村社に昇格し、その後も神社の整備が継続的に行われました。大正11年（1922年）には神苑の改修が行われ、内側に新たに「神苑」が整備されることとなります。また、2011年にも境内の改修が行われ、現在も美しい景観を保っています。

行事について

武信稲荷神社では多くの行事が行われ、地域の人々に親しまれています。例えば、元日の歳旦祭や、1月15日のどんと焼き、節分祭は特に賑わいます。また、2月の最初の午の日には初午祭が行われ、5月第2日曜日には例祭（さつき祭り）が開催されます。さらに、8月の最終日曜日には子供みこし巡行が行われ、11月第2日曜日には御火焚祭も行われるなど、年間を通して様々な行事が予定されています。

境内の特徴

この神社には本殿の他にも多くの末社が存在し、宮姫社、常吉明神、白清社、七石社、大黒社などが参拝者を迎えます。また、境内には平重盛が厳島神社から移植したとされる850年以上の榎の大木があり、これは京都市の天然記念物としても認定されています。この榎の木は、坂本龍馬とその妻のおりょうとの歴史とも深く関連しており、龍馬はその木に「龍」と彫ったという伝説があります。

アクセス情報

武信稲荷神社へのアクセスは非常に便利で、阪急京都本線の大宮駅から徒歩約650メートル、京福電気鉄道嵐山本線の四条大宮駅から徒歩約600メートル、山陰本線の二条駅からも徒歩約800メートルの距離にあります。また、京都市営地下鉄の二条城前駅からも徒歩約900メートルと、アクセスが良好です。

この歴史深い武信稲荷神社は、地元の方々だけでなく、観光客にも訪れてもらいたいスポットとなっています。

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