武田水軍

武田水軍について

武田水軍（たけだすいぐん）は、戦国時代の日本において甲斐の武田家に属する海軍でした。『甲陽軍鑑』では「武田海賊衆」としても知られ、彼らの活動は主に駿河湾を中心に展開されました。経緯としては、武田信玄が1568年に駿河への侵攻を行い、今川氏真を駿河国から排除したことに始まります。これにより、内陸に位置していた甲斐国の武田家が初めて海に接することとなったのです。

信玄は、その後今川氏配下の駿河水軍を接収し、これを基に武田水軍を再編成しました。武田水軍は、主に北条家に対抗するために活動し、駿河湾周辺を拠点に海戦を繰り広げました。この地域は当時、戦略的に重要な拠点であり、海上での制圧は戦局に大きな影響を及ぼしました。

元亀2年（1571年）には、敗北を喫した北畠家の伊勢水軍を編入し、52艘から成る艦隊を形成しました。この艦隊は大きな安宅船を根幹としており、規模と戦力において強大でした。武田政権下では、御館の乱が起きた際に甲相同盟が破綻し、伊豆方面での海戦でもその力を発揮しました。

天正10年（1582年）には武田家が滅亡しますが、その後武田水軍は本多重次の仲介により徳川家康に従属し、徳川水軍となります。そして、最終的には江戸幕府の水軍として再編されていくことになります。これにより、武田水軍は戦国時代を経て新たな形で江戸時代に繋がることとなりました。

主要な人物

武田水軍には多くの優れた武将が存在しました。彼らの中でも特に有名な人物を以下に示します。

• - 土屋貞綱（岡部忠兵衛）: 複数の艦艇（12艘）を指揮し、同心50騎を引き連れていました。
• - 間宮信高: 5隻の艦艇を持ち、その活躍が知られています。
• - 間宮武兵衛: 10艘の船を指揮し、武田水軍の重要なメンバーでした。
• - 小浜景隆: 安宅船1艘と小舟15艘を有し、海戦における存在感を示しました。
• - 向井正重、伊丹康直: 各々5艘の船を持ち、それぞれに手腕を発揮しました。

このように、武田水軍は戦国時代の重要な海軍力を担っており、様々な戦闘に関与しました。彼らの活躍は、日本の海上戦闘の歴史においても重要な位置を占めているのです。

もう一度検索