武魯頓島

武魯頓島の概要

武魯頓島（ぶろとんとう）は、日本の千島列島の中部にある小さな島です。ロシア名ではブロウトナ島（о.Броутона）と呼ばれ、英語ではBroutonaと表記されます。この島の名前は、1796年から1798年にかけて千島・サハリン沿岸を調査したイギリス海軍のプロヴィデンス号艦長に由来しており、彼は噴火湾の命名者でもあります。また、アイヌ語では「マカンルル」と称され、これは「後ろにある潮の中にある島」という意味を持つとされています。入り口の激しい潮流がある得撫水道の北端に位置していることからこの名称がつけられたと考えられます。漢字表記では「磨勘留島」とも書かれますが、これとの関連性ははっきりしていません。

地形と位置

武魯頓島は、知理保以島（北島）の北北西に約11海里の距離にあり、海抜801メートルの円錐形の峰が特徴的です。島全体は楕円形をしており、周囲は約11キロメートルです。南端と西端を除いて、島は約300メートルの断崖に囲まれています。岩場が点在しており、これらの場所を利用しなければ上陸は非常に困難です。

歴史的背景

武魯頓島がどのように人々に利用されていたかについては、続縄文時代やオホーツク文化期には得撫島で集落が栄えていたことが知られています。その時期におそらく武魯頓島にもラッコ猟を目的に訪れる人々がいたと推測されますが、定住の痕跡は見つかっていません。近代においても、択捉島のアイヌがこの島にラッコ猟に出かけていたとの記録が残っています。

1855年に締結された日露通好条約によって、武魯頓島はロシア領となりました。1875年には樺太・千島交換条約を経て日本領に編入され、1945年のソ連による上陸・占領により再びロシアの管理下に戻ります。その後、日本が降伏した翌月にはソ連の占領地として扱われ、1946年にGHQの指示により日本側の施政権が公式に停止されました。同年にソ連がこの島の領有を宣言しました。

1952年にサンフランシスコ講和条約が締結され、日本は武魯頓島に対する領有権を放棄することとなりました。ただし、ソ連側はこの条約に調印しなかったため、以後、日本はこの島の帰属について未確定であると主張し続けています。1991年にソビエト連邦が崩壊した後、ロシア連邦がその実効支配を引き継ぎ、現在もこの島はロシアの実効支配の下にあります。しかし、日本政府は国際法上、この島を帰属未定地であると位置付けているのが実情です。

関連項目

• - 島の一覧
• - 参考資料

外部リンク

武魯頓島に関するさらなる情報は、信頼できる地理や歴史のリソースを参照してください。

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