歩兵第102連隊

歩兵第102連隊

歩兵第102連隊（ほへいだい102れんたい、歩兵第百二聯隊）は、かつて存在した大日本帝国陸軍の歩兵連隊の一つです。その歴史は二つの時期に分けられます。

沿革（第一次編成）

本連隊は、日中戦争が拡大する中の1937年（昭和12年）秋に編成されました。特設第114師団の編成にあわせ、水戸にある歩兵第2連隊の補充隊において、予備役および後備役にあった兵員の召集が始まりました。

同年10月18日には連隊旗（軍旗）を拝受し、その後中国大陸へ派遣されました。彼らは杭州湾の金山衛への上陸を経て、嘉興、湖州、長興県、宣興といった浙江省や江蘇省の各地で戦闘を展開しました。

1937年12月1日には南京攻略戦が開始され、本連隊もこれに参加しました。そして12月13日には、南京城の中華門の突破に成功し、南京占領に貢献しました。

南京攻略後、1938年（昭和13年）2月には北支那方面軍の指揮下に移り、河北省や山東省において鉄道警備任務にあたりました。また、同年5月18日からは徐州会戦にも参加しています。

その後、戦局の変化に伴い、1939年（昭和14年）7月に復員（部隊の解散と兵員の原隊復帰）が下令され、部隊は水戸へと帰還しました。同年9月9日には連隊旗を奉還し、ここに最初の歩兵第102連隊はその歴史を閉じ、解隊されました。

沿革（第二次編成）

一度解隊された歩兵第102連隊ですが、太平洋戦争開戦を前にして、1940年（昭和15年）8月に第51師団の隷下部隊として再編成されました。

再編成後、1941年（昭和16年）8月には第23軍に転用され、中国南部の広東付近において警備任務にあたりました。

太平洋戦争が開戦し、戦局が南東方面へ拡大する中で、本連隊は激戦地へと派遣されることになります。1942年（昭和17年）11月21日、部隊は広東の黄埔港を出港し、戦いの舞台は東部ニューギニアへと移りました。

1943年（昭和18年）1月7日、東部ニューギニアのラエ付近に上陸した本連隊は、前線にあったサラモアの海軍部隊を救援するために派遣されました。その後、戦況の悪化に伴い3月にはムボへと後退しました。

サラモア作戦の過程では、キアリへの転戦を経験しました。しかし、連合軍がキアリに上陸したことで、本連隊はさらにハンサやウェワク方面へと後退を余儀なくされました。

厳しい転戦と後退を続ける中で、1944年（昭和19年）4月にはセピック地区へ移動し、マリエンベルグ付近において防御体制を構築しました。その後も飢餓と病気、そして敵軍との戦闘に耐えながら戦線を維持しましたが、終戦まで過酷な状況が続きました。

そして、1945年（昭和20年）8月、帝国陸軍の終戦命令を受けて、歩兵第102連隊はニューギニアの地でその活動を終えました。

参考文献

『日本陸軍連隊総覧 歩兵編(別冊歴史読本)』新人物往来社、1990年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍連隊一覧

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