歩兵第52連隊

歩兵第52連隊

歩兵第52連隊（ほへいだいごじゅうにれんたい）は、大日本帝国陸軍に所属した歩兵連隊の一つです。その歴史は、日露戦争終結後の軍備増強期に遡り、解隊と再編成を経て、第二次世界大戦終結まで、激動の時代を戦い抜きました。

編成と初期

1905年（明治38年）3月、歩兵第52連隊は編成を下令され、同年4月15日には軍旗を拝受しました。当初は、青森県に駐屯していましたが、1908年（明治41年）11月2日には、青森県中津軽郡千年村大字原ケ平字中野へ移転しています。この時期、連隊は兵士の訓練と地域の警備を主な任務としていました。

一時解隊と再編成

1925年（大正14年）5月1日、宇垣軍縮の影響を受け、歩兵第52連隊は廃止されました。これは、軍事費削減と軍の規模縮小を目的とした政策の一環でした。しかし、1937年（昭和12年）になると、日中戦争が勃発し、戦時体制への移行が求められるようになります。同年8月30日、歩兵第52連隊は再び軍旗を拝受し、第108師団隷下として再編成されました。これにより、連隊は再び戦場へと赴くことになります。

中国戦線

再編成後、歩兵第52連隊は華北へ出動し、山西省南部を中心に治安戦に従事しました。この地域での戦闘は、ゲリラ戦や小規模な戦闘が中心であり、連隊は厳しい環境下での作戦を強いられました。1940年（昭和15年）6月、連隊は一旦軍旗を奉還しますが、同年9月27日には再び軍旗を拝受し、第57師団に所属変更となります。

満州駐屯と本土決戦準備

再編後、歩兵第52連隊は関東軍特種演習に参加し、北部満州へと移駐しました。ここでは、ソ連軍との対峙を想定した訓練や警備任務に従事しました。しかし、太平洋戦争末期になると、戦局は悪化し、日本本土への侵攻が現実味を帯びるようになります。1945年（昭和20年）4月、歩兵第52連隊は本土防衛に備えるため、北部九州へ移駐しました。ここでは、沿岸防御の中核部隊として、敵の上陸を阻止するための陣地構築や訓練を行いました。

終戦

1945年（昭和20年）8月、日本はポツダム宣言を受諾し、第二次世界大戦は終結しました。歩兵第52連隊は、戦地で終戦を迎え、その歴史に幕を閉じました。

参考文献

『日本陸軍連隊総覧 歩兵編（別冊歴史読本）』新人物往来社、1990年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍連隊一覧

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