歴青

歴青（れきせい）とは

歴青とは、天然または人工の炭化水素からなる化合物、またはそれらの混合物の総称です。ビチューメン（ビチューム、ビチウメン、Bitumen）やチャンとも呼ばれます。この物質は、非金属誘導体などの様々な物質を含むことがあり、その多様性が特徴です。

歴青の種類

歴青には、天然アスファルト、コールタール、石油アスファルト、ピッチなど、様々な種類があります。これらの物質は、それぞれ異なる生成過程や性質を持ち、用途も多岐にわたります。

天然アスファルト: 自然に産出する歴青で、地中から湧き出たり、岩石中に含まれたりします。
コールタール: 石炭を乾留（加熱して分解）する際に得られる副産物です。様々な有機化合物を含み、化学工業の原料としても重要です。
石油アスファルト: 原油を精製する際に得られる残留物で、道路舗装材として広く利用されています。
ピッチ: コールタールや石油の蒸留残渣をさらに加工したもので、接着剤や防水材として使われます。

歴青の特性

歴青の最も重要な特性の一つは、二硫化炭素 (CS2) に溶けることです。この性質を利用して、歴青の抽出や分析が行われます。また、歴青は一般的に粘性があり、温度によってその粘度が大きく変化します。そのため、用途に応じて適切な温度で加工・使用する必要があります。

歴青材と歴青油

歴青は、その利用形態によって「歴青材」と「歴青油」に分類されることもあります。

歴青材: 石油の蒸留残留物であるアスファルトや、コールタール、ピッチ、石油由来の乳剤などが含まれます。これらは道路舗装材、防水剤、防腐剤、接着剤など、幅広い分野で使用されます。
歴青油: 原油や天然アスファルトを指します。これらは、そのまま利用される場合もあれば、精製されて他の製品の原料となることもあります。

関連事項

歴青に関連する用語や物質として、以下のようなものがあります。

歴青炭: 歴青を含む石炭で、燃焼時に熱エネルギーを生成します。
アブラチャン（油瀝青）: 日本にも自生する樹木で、幹に油分を多く含みます。和名に「チャン」とつくのは、歴青を意味する言葉に由来します。
オイルサンド: 砂と歴青が混ざり合ったもので、採掘後に歴青を分離して利用します。

歴青の利用

歴青は、その特性から、古くから人々の生活に利用されてきました。古代では、建築物の防水や接着に使われ、現代では道路舗装、建材、化学工業など、幅広い分野で利用されています。特に、道路舗装におけるアスファルトの利用は、現代社会において不可欠となっています。

参考文献

この解説を執筆するにあたり、以下の文献を参考にしました。

鈴木勝王『ノアの方舟はなぜ沈まなかったのか : 石油文明の夜明け前』エネルギーフォーラム、2009年11月。ISBN 978-4-88555-364-6。
* 宮川豊章監修、岡本亨久・熊野知司編著『改訂版 図説 わかる材料 土木・環境・社会基盤施設をつくる』学芸出版社、2015年12月15日。ISBN 978-4-7615-2614-6。

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