死神 (タロット)

死神カードについて

タロットの大アルカナの中で「死神」というカードは、特に知られた存在であり、そのイメージはしばしば誤解を招きがちです。英語では「Death」、フランス語では「La Mort」と称されるこのカードは、事象としての「死」を直接的に象徴し、その意味ゆえに一般には不吉と見なされることが多いです。特に西洋の文化においては、カードの番号が13であるため、忌み数とされることもしばしばです。このカードの前後には、「吊された男」（番号12）と「節制」（番号14）があり、これらのカードとの関連を考えることで、死神の持つ意味がさらに深まります。

カードの解釈

死神カードには、正位置と逆位置で異なる解釈が存在します。正位置では停止や終末、破滅といった意味が関連づけられ、一種の終焉を暗示します。例えばゲームに例えると、それは「ゲームオーバー」を思わせるような印象を持つことがあります。一方で、逆位置になると再スタートや新展開、再生といったポジティブな意味合いが強調されます。ここでは、自己の再生や立ち直りを象徴します。アーサー・エドワード・ウェイトによるタロット図解では、これらの変化の過程が「停止・損失・死と再生」として描かれることが特徴です。

カバラと占星術の関連

このカードはカバラと関連があり、そのヘブライ文字はヌン（נ）とされます。ただし、異なる解釈も存在します。「黄金の夜明け団」では、特定のエネルギーの流れと関連付けられています。また、占星術においては、死神は白羊宮や金牛宮など、様々な星座や惑星と結びつけられています。土星と関連付ける考えもあれば、火星、土星、冥王星といった化学的な考察もなされることがあります。

豫示された寓画

マルセイユ版のタロットでは、死神のカードは下部に名称欄が設けられないことが多く、名前が無記名であることが特徴的です。多くのデザインでは死神が鎌を持っている様子が見られますが、このデザインは特定の神話や物語から模倣されたものではありません。ウェイト版のタロットでは、その構図が大胆に改変されており、甲冑を着た死神が馬に乗り、死の行軍を表現しています。このような視覚的要素は、死神が持つ双義性や変化のモチーフを強調しています。

様々な解釈

死神カードに描かれる骸骨はしばしば両性具有的に解釈され、このことが「愚者」との関連を持ちます。驚くべきことに、死神が描かれる構図には、過去を壊すことで新たな生が生まれるという考え方が含まれていると言えます。さらに、骸骨が大地に刺さって回転する姿は、死の本質や変化を示唆しています。アレイスター・クロウリーによってデザイン監修されたトート・タロットでは、死神の姿が「死の舞踏」を象徴的に表現され、その姿は視覚的にも新たな意味を持っています。全体として、このカードは終わりの象徴であるとともに、再生や新しい始まりを示す希望でもあるのです。

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このように、死神カードはタロットの中で多様な解釈を持ち、文化や時代を超えて深い意味を持ち続けています。そのため、カードを引く人々にとって、死神は単なる恐れの象徴とはなり得ないのです。

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