殊勲章

殊勲章とは

殊勲章は、様々な団体が制定する表彰制度において、顕著な功績を上げた人物に贈られる記章です。この記章は、衣服に着用することでその功績を可視化し、受章者の名誉を称えます。殊勲賞との違いは、賞が単なる表彰であるのに対し、殊勲章は着用する徽章が贈られる点にあります。

各国の殊勲章

日本

日本では、消防機関などの地方機関が職員に授与する栄章として殊勲章を制定している場合があります。例えば、兵庫県神戸市では、消防[[職員]]が人命救助や災害対応で顕著な功績を上げた場合に消防殊勲章が授与されます。しかし、日本国内で「殊勲章」という名称の表彰記章は多くなく、外国の勲章を日本語に訳す際に用いられることが多いのが現状です。

英語圏

英語圏では、“Distinguished Service Order”（DSO）や“Distinguished Service Medal”（DSM）が日本語で「殊勲章」と訳されることが一般的です。しかし、DSMは国家の勲章から任意団体の表彰記章まで幅広く存在し、その価値は大きく異なります。また、同じ国家の勲章でもDSOとDSMでは格式に大きな差があります。

“Medal”（メダル）は記章に分類されることが多く、一方、“Order”（オーダー）は例外なく勲章として扱われます。十字章は、オーダーとメダルの間に位置づけられる概念で、イギリスでは通常の十字章はオーダーの下位、メダルの上位に位置づけられます。

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国では、“Order”の制度がないため、「殊勲章」と訳されるものは全て“Distinguished Service Medal”です。陸軍、海軍、空軍、沿岸警備隊など、様々な組織が同名の章を制定しています。これらの章は同格とされ、その上位に国防総省の「ディフェンス・ディスティングシュドサービスメダル」が位置づけられています。殊勲章は、「責任ある重大な任務における特別な功績」に対して授与され、序列は名誉勲章や各軍の十字章に次ぐものとされています。

イギリス

イギリス軍では、“Distinguished Service Order”（DSO）、“Distinguished Service Cross”（DSC）、“Distinguished Service Medal”（DSM）が存在し、DSCは「殊勲十字章」、DSOとDSMが「殊勲章」と訳されます。DSOは敵前における優れたリーダーシップを発揮した将兵に贈られるオーダーで、DSMは戦闘海域で武勲を挙げた下士官・兵に贈られるメダルです。1993年の栄典制度改正によりDSMは廃止され、その対象者はDSCが授与されるようになりました。また、ヴィクトリア十字章に値しないが、大きな武勲を挙げた将兵にはコンスピキュアス・ギャラントリー・クロス（CGC）が新たに設けられました。

イスラエル

イスラエル国防軍では、殊勲章（Medal of Distinguished Service）が第3位の勲章として制定されており、これまでに600件以上の授与が行われています。上位には武勇記章（Medal of Valor）と勇気記章（Medal of Courage）があります。

その他の国

オーストラリア、メキシコ、スリランカなど、他の国々でも独自の殊勲章制度が存在します。

まとめ

殊勲章は、各国の軍や団体において、その功績を称えるために重要な役割を果たしています。その制度や対象は国や団体によって異なりますが、共通して言えることは、受章者の名誉と功績を可視化し、その活動を称えるという目的を持っているということです。この解説を通じて、殊勲章に関する理解が深まれば幸いです。

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