毛利元一

毛利元一：長州藩を支えた家老の生涯

毛利元一（もうり もとかず）は、文化13年（1816年）に生まれ、明治22年（1889年）に没した、江戸時代後期から明治時代にかけての人物です。長州藩の一門家老である吉敷毛利家の13代当主として、藩政に深く関与しました。

生涯

元一は、文化13年（1816年）に毛利房謙の子として生を受けました。嘉永元年（1848年）に家督を相続し、藩主である毛利敬親（斉元の実子）に仕え、当職、留守居役、城代など、藩の要職を歴任しました。その手腕は藩政に大きく貢献したと言えるでしょう。

安政年間以降は、郷校である憲章館に稽古引立役を置き、学生の監督を行いました。優秀な者には他国での修行を命じるなど、人材育成に尽力しました。この憲章館には、本藩から高杉晋作、山縣有朋、井上馨ら、後に明治維新で活躍する若者たちが訪れ、学びを深めました。

文久3年（1863年）には、一門である阿川毛利熙徳の弟、広悌の子である親直を養嫡子としました。明治元年（1868年）には藩副執政に、明治2年（1869年）には大参事に任じられ、明治政府における要職を担いました。

明治3年（1870年）に隠居し、家督を親直に譲りましたが、明治7年（1874年）に親直が離籍したため、再び家督を再襲するという異例の事態も経験しています。その後、明治9年（1876年）には長州藩士である山本信一の子、重輔を養子に迎えました。明治17年（1884年）に、養子の重輔に家督を譲り、再び隠居しました。

明治22年（1889年）2月26日に74歳でこの世を去りました。墓所は山口市にある玄済寺にあります。養子の毛利重輔は、明治33年（1900年）に男爵に叙されています。

毛利元一は、激動の幕末から明治という時代において、長州藩の発展と人材育成に大きく貢献した人物として、その名が記録されています。藩政を支え、多くの若者を育てた彼の功績は、後世に語り継がれるべきものでしょう。

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