毛利元直 (吉敷毛利家)

毛利元直（もうり もとなお）は、享保元年（1716年）に生まれ、宝暦3年4月19日（1753年5月21日）に没した、江戸時代中期の武士です。長州藩の一門家老である吉敷毛利家の6代当主を務めました。

父は毛利広包（ひろかね）。正室は阿川毛利広規（ひろのり）の娘を迎えました。子に毛利就将（なりまさ）がいます。通称として久之允（ひさのじょう）、市正（いちのかみ）を名乗りました。

生涯

享保元年（1716年）、一門家老である毛利広包の子として誕生しました。藩主・毛利吉元（よしもと）から偏諱を受け、「元直」と名乗るようになりました。元文2年（1737年）に父・広包が死去したため、家督を相続し、吉敷毛利家の当主、および吉敷領主となりました。吉敷毛利家は長州藩における一門家老という重職を担い、藩政において重要な役割を果たしました。

元文5年（1740年）には、祖父である毛利就直（なりなお）の代から行われていた周防国平田（現在の山口県防府市平田）における開作（干拓事業）が実を結び、647石を知行に加増されました。この干拓事業は、新たな農地を開発し、藩の財政を潤すとともに、領民の生活を安定させることに貢献しました。元直自身もこの事業に尽力し、その功績が認められたことになります。

宝暦3年（1753年）4月19日に死去しました。享年38歳という若さでした。家督は嫡男である毛利就将が相続しました。就将もまた、吉敷毛利家の当主として、藩政に貢献しました。

また、毛利元直に仕えた中原喜兵衛介之（なかはら きへえすけゆき）は、後に詩人として名を馳せる中原中也（なかはら ちゅうや）の先祖にあたります。中原中也は、日本の近代詩を代表する詩人の一人であり、その血筋を辿ると、長州藩の家老に仕えた武士に行き着くことは興味深い点と言えるでしょう。

参考文献
* 石川卓美著「防長歴史用語辞典」

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