毛利包詮

毛利包詮：短命に終わった吉敷毛利家当主

毛利包詮（もうり かねあき）は、明和9年（1772年）に生まれ、文化元年（1804年）に33歳で亡くなった人物です。彼は長州藩の一門家老である吉敷毛利家の10代当主でした。

生涯

包詮は、吉敷毛利家第7代当主・毛利就将（もうり なりたか）の次男として生まれました。しかし、翌年には父が隠居し、兄の毛利就兼（もうり なりかね）が家督を継ぎます。この時、包詮はまだ幼かったため、兄が当主となりました。

その後、寛政3年（1791年）に兄・就兼が亡くなり、享和3年（1803年）には就兼の婿養子である毛利房直（もうり ふさなお）、さらに熙載（ひろのり、毛利斉房・斉熙の実弟）が相次いで亡くなったため、包詮が吉敷家の家督を相続することになりました。

しかし、包詮自身も家督を継いでからわずか1年後の文化元年（1804年）に33歳で早世してしまいます。彼の死後、家督は繁沢就貞（はんざわ なりさだ、後の阿川毛利就貞）の次男である毛利房裕（もうり ふさひろ）が相続しました。

名前について

「包詮」という名前は、吉敷毛利家の家祖である小早川秀包（こばやかわ ひでかね）から一字を取って名付けられました。通常、長州藩主（当時は毛利斉房）から偏諱（へんき）を受けるのが慣例でしたが、包詮は家督相続後すぐに亡くなったため、藩主から「房」の字を授与されることはありませんでした。

このように、毛利包詮は、相次ぐ当主の早世という状況の中で家督を継承したものの、自身も若くして亡くなった悲運の人物でした。彼の短い生涯は、当時の武士社会の厳しさや、家督相続の難しさを物語っています。

参考文献

山口市史
石川卓美著「防長歴史用語辞典」

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