民主化推進協議会

民主化推進協議会について

民主化推進協議会（略称：民推協）は、1984年5月18日に設立された政治団体です。この団体の創設は、韓国の政治史において重要な意味を持ち、特に民主化を求める動きの一環として位置付けられています。設立当初、金泳三系（上道洞系）と金大中系（東橋洞系）の政治家たちが集結し、共に共同議長を務める形で運営されました。

背景

当時の韓国は第五共和国時代にあり、政治的な自由が制限されていました。第四共和国時代の最大野党であった新民党は、第五共和国憲法の施行と同時に強制的に解散させられ、有力な政治家たちは特別措置法によって追放されていました。このような厳しい状況下で、政府に反対する勢力は非常に限られており、民主韓国党などの親政府的な野党が活動していました。

光州民主抗爭から3年が経過した1983年5月18日、金泳三は自宅に軟禁されている中で「民主化五項目」を掲げて断食闘争を開始しました。この行動が注目を集め、その後、彼の軟禁が解除される契機となりました。このようにして民推協が結成される運びとなったのです。

組織と活動

設立当初、民推協は共同議長の金泳三と金大中を中心に、副議長19名、運営委員452名、16の局、32の部署から構成されており、政治的な活動を行うための基盤を持っていました。1984年の夏には、抑圧された政治活動が徐々に解禁される中で、より多くの政治家たちが参加し、組織が強化されました。

また1985年1月には「鮮明野党」を掲げて新韓民主党が結成され、民推協はその母体としての役割を果たしました。この新韓民主党は、1985年の第12代総選挙において野党第一党として躍進しました。特にこの選挙での成功は、民推協の活動の一翼を担った結果といえます。

終息

しかし、金泳三が新民党に入党した後、民推協はその活動基盤としての役割が次第に縮小していきました。1987年末には大統領選挙が行われましたが、金泳三と金大中が互いに出馬を譲らず、党内が分裂したこともあって、民推協はその後解散することになりました。この解体は、韓国の政治動向に多大な影響を与えたとされています。

参考文献

• - 金要権編著『朝鮮韓国近現代史事典』日本評論社
• - 木村幹著『韓国現代史 大統領達の栄光と蹉跌』中公新書

その後の韓国の民主化プロセスは、民推協の活動なしには語れない重要な局面であり、政治家たちの集まりが、最終的に今の韓国の政治を形成する礎となっていったのです。

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