民主韓国党

民主韓国党：第五共和国時代の保守政党

民主韓国党は、1980年代の韓国、全斗煥政権下の第五共和国期において存在した保守政党です。第五共和国初期においては最大野党の座につきましたが、その歴史は短く、党勢の盛衰を繰り返した後、1988年には解党という結末を迎えました。本稿では、民主韓国党の結成から解党までの経緯、党の性質、そして当時の韓国政治における位置づけについて詳細に解説します。

結成と初期の活動

1981年1月、全斗煥政権による「政治風土刷新のための特別措置法」で政治活動を禁止されなかった旧新民党穏健派の政治家を中心に、民主韓国党が結成されました。初代総裁には柳致松が就任し、大統領選挙への挑戦も視野に入れていました。党の主要な目標は平和的な政権交代の実現でしたが、軍部との関係を重視する姿勢から「サクラ野党」と揶揄されることもありました。これは、全斗煥政権への批判を控えめにし、ある程度の協調関係を維持していたことを示しています。

1981年3月に行われた総選挙では、81議席を獲得し、野党第一党の地位を確立しました。この結果からも、民主韓国党が当時の政治状況において一定の影響力を持っていたことがわかります。しかし、この地位は長くは続きませんでした。

党勢の衰退と解党

1985年2月に行われた国会議員選挙では、民主韓国党は大きな挫折を味わいます。政治活動禁止措置が解除された急進派の政治家を中心とした新韓民主党が、軍部による政治介入への反対を訴え、大きな支持を獲得したのです。この選挙で民主韓国党は野党第二党に転落、さらに党内分裂や離党が相次ぎ、議席数を大幅に減らして、やがては群小政党へと転落していきました。

その後も党勢回復の兆しが見られず、1988年4月の第13代総選挙では、ついに議席を獲得することができませんでした。これにより、韓国の政党法に基づき、民主韓国党は解党を余儀なくされたのです。

韓国政治における民主韓国党の位置づけ

民主韓国党は、全斗煥政権下の韓国政治において、重要な役割を果たした政党でした。しかし、その役割は必ずしも一貫性のあるものではありませんでした。親与的な姿勢と、軍部への配慮を優先する戦略は、一部から批判を集め、「サクラ野党」というレッテルを貼られることにもつながりました。

民主韓国党の盛衰は、第五共和国期の政治情勢の激動を反映しています。軍部による政治介入、民主化運動の高まり、そして政党間の激しい競争といった要素が複雑に絡み合い、民主韓国党の運命を決定づけたと言えるでしょう。その存在は短命に終わりましたが、韓国の現代史を理解する上で、無視できない重要なピースの一つであることは間違いありません。

参考文献

韓国史編纂委員会　金容権編著『朝鮮韓国近現代史事典　第2版』（日本評論社）
金浩鎮『韓国政治の研究』李建雨訳、三一書房

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新韓民主党
* 第五共和国 (大韓民国)

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