民主革命党 (メキシコ)

民主革命党 (PRD)

民主革命党（みんしゅかくめいとう、英: Party of the Democratic Revolution、略称：PRD）は、1987年に設立されたメキシコの中道左派政党です。当初は国民民主戦線（FDN）と呼ばれていましたが、その後、単一政党としての強化を図りました。PRDは、社会主義インターナショナルと進歩同盟に加盟し、国内外で様々な政治的活動を展開しています。

歴史的背景とFDN結成

民主革命党のルーツは1970年代にさかのぼります。当時の政治状況に不満を抱いていたクアウテモク・カルデナスは、1970年に出版した日記で、PRI（制度的革命党）の保守的な方向転換を批判し、党内部における左派の不満分子の存在を示しました。このような状況下で、カルデナスは1986年に「民主潮流」（CD）派を結成し、1987年にはFDNを創設しました。

FDNは中道左派の候補として大統領選出馬を目指し、1988年の選挙でカルデナス候補が不正選挙ともされる結果で敗北しました。しかし、選挙後の国会選挙でFDNは大きな成功を収め、その後1990年代におけるメキシコ政治の重要なプレーヤーとなりました。

PRDの設立と党勢の変遷

1989年5月、FDNはPRDとして新たに設党され、左派諸党との連合から脱却しました。しかし、その後の1991年の下院選挙では大敗を喫し、1994年の大統領選挙でも得票率が低下する結果となりました。これは、PRIが実施した福祉政策や公共事業が一部のPRD支持者をPRIへと引き戻した影響が大きいです。

その後、1997年には下院選挙で125議席を獲得し、その流れでクアウテモク・カルデナスはメキシコシティの市長に当選しました。2000年の選挙では結果が振るわなかったものの、PRDは地方政治においての影響力を維持しました。

2006年大統領選挙と政治的対立

2006年の大統領選挙では、メキシコ市長のロペス・オブラドールがPRDから出馬し、政府の新自由主義政策に対抗する姿勢を打ち出しました。しかし、わずか0.58ポイント差で敗北し、選挙の不正が疑われることとなりました。この結果、オブラドールの支持者たちはメキシコシティの中心で大規模な抗議行動を行い、並行政府の設立を宣言する事態に至りました。

党内の対立とその後の選挙

2008年の党首選挙では党内の派閥対立が露呈し、2009年の中間選挙では議席を大幅に失う結果となりました。2012年の大統領選挙でも、オブラドールは再び出馬するも歯が立たず、PRIのペニャニエトに敗れました。オブラドールはその後離党し、新たな左派政党である国家再生運動（Morena）を設立しました。

その後の選挙ではPRDの党勢は下がり続け、2024年の総選挙では国政政党としての要件を満たさず、登録が抹消されることとなりました。ただし、地方政党としての存在感は維持しています。

国際的なつながり

PRDは国際的にも活動を行っており、日本の日本共産党とも交流があります。2000年および2004年には共産党の大会に代表を派遣し、相互交流を図っています。こうした国際的な交流は、PRDの政治的影響力を広げる一助となっています。

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