民安促進会

民安促進会について

民安促進会（みんあんそくしんかい）は、1967年の香港で発生した六七暴動時に、その名称を持つ地域防衛組織として設立されました。この団体は、新界郷議局の傘下にある各郷事委員会の協力により成り立ち、同時に新界理民府および香港警務処の新界地区警察隊からの公然たる支持も受けていました。主な目標は、新界地域の平和と安定を保つこと、そして香港の左派団体による地域の秩序を乱す行為から守ることでした。

具体的には、地域住民によって形成された糾察隊や護衛隊が左派勢力の脅威に対抗する形で活動していました。彼らは、左派勢力による政治的恫喝や村民を煽動する行動に対して、地域住民の実力をもって反撃することを主張し、さらに香港政府の治安当局と密接に連携して地域の安定を図ることに努めていました。

背景

1967年初頭、中国大陸における文化大革命が激化すると、隣のマカオでは左派勢力が「一二・三事件」を通じて政治主導権を握りました。これに刺激された香港工委は、香港でも同様の騒乱を引き起こそうとしました。新華社香港分社の指導者たちが「行動を起こすべきだ」との方針を示したことが契機となり、同年5月に新蒲崗の工場でストライキが発生しました。このストライキは左派団体によって利用され、デモへと発展しました。

権力を取り戻そうとする動きの中で、左派勢力は香港政府の転覆を目指し、武力闘争にエスカレートしました。この段階で、九龍や新界では連続的な爆弾テロが発生し、227人以上の市民が死傷しました。こうした情勢の中、新界の郷議局は香港政庁を支持し、左派のテロ活動を締め出そうとしました。

治安互助組織の設立

こうした暴動のさなか、多くの郷事委員会は治安維持を目的とした互助組織を設立しました。特に新界郷議局の主席である彭富華は、各郷事委員会に対し香港政庁の政策を支持するよう呼びかけました。危機感を感じた地域住民は、各地で民安促進会の設立準備を進め始めました。

各地域では、粉嶺や元朗、荃湾などで民安促進会が設立され、治安維持に努める姿勢を示しました。これらの組織は、警察と連携しつつ新界の治安維持に努め、左派勢力が村の秩序を乱すことを防止しました。

設立の具体的状況

1967年6月中旬、彭富華は元朗の社会団体の代表たちと共に、民安促進聯会の設立に向けた協議を行いました。粉嶺地区に設置された民安促進聯会は、地域社会の治安を守るために糾察隊を設立する旨の規定を持っていました。このように、各地で住民が集結し、地域統一の意識を高めながら治安を確保することに全力を注ぎました。

元朗では、6月22日に民安聯合促進会が設立され、これに参加した住民は多くが左派の行動に不安を感じていました。この時、関係者は地域の安全を確保し、秩序を維持するためには政庁の施策を支持することが重要であると訴えました。

また、荃湾地区においても、14団体が結集し地域を盛り上げつつ、互助の精神を持った組織を立ち上げました。さらに、大澳地区でも住民が次々と参加し、地域の安全確保と足りない物資の補填をする取り組みが始まるなど、地域のネットワークが強化されました。

まとめ

このように、民安促進会を中心とした多くの地域防衛組織が次々と結成され、香港の新界地域における住民たちは自助の手段を講じて治安を守るために腕を組むことになりました。新界の住民たちによる結束が、左派勢力の混乱を阻止し、地域の安定をもたらした結果として、民安促進会は地域社会における重要な役割を果たしていきました。

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