民族派学生組織

民族派学生組織について

日本の民族派学生組織は、特に1960年代の学生運動の中で、その存在を際立たせました。この時期、全学連や全共闘といった左翼系の団体が大学を席巻していたため、これに対抗する形で右派の学生組織が結成されました。彼らは当初、既成の右翼運動と類似した主張を展開していましたが、自身を「民族派」と称し、暴力団と混同されることを避ける努力が見られました。

歴史的背景と運動のスタイル

戦後の冷戦構造において、経済の二分化が進む中で、民族派学生組織は反共を基本的な主張として掲げました。これに対し、彼らは米ソ間の核エネルギー独占を批判し、核拡散防止条約に対する反対運動を展開しました。この時期、主に京都学派の哲学を研究し、既成右翼とは異なる視点からの理論的深化も行っていました。

民族派の活動は、左翼と同様にクラスオルグ、ビラ撒き、デモなど多様な方法を用い、実際に機動隊との衝突も見られました。初期には武装した左翼学生に素手で対抗していましたが、次第に自衛のためにヘルメットや竹ざお、鉄パイプを使用するなど、戦術が変化しました。

主な組織とその関係

民族派学生組織として代表的なものには、日本学生同盟（日学同）、全国学生自治体連絡協議会（全国学協）などがあります。日学同は、早稲田大学において左翼の支配を打破するために1966年に結成され、同年の全国学協は、長崎大学の学生運動から発展し、1968年に設立されました。

また、全国学協は生長の家学生会や日本民主社会主義学生同盟とは異なる立ち位置を持ちながらも、時に協力関係を築いていました。特に生長の家学生会は長期間にわたり連携を続けましたが、その後の愛国路線の変化により関係が疎遠になりました。

対立と交流

現在、多くの民族派学生組織は活動が低調となっていますが、OBたちは依然として活発に活動し、過去の対立を越えて協力関係を築いているものも存在します。
日学同と全国学協との関係はかつては緊密でしたが、誤解や意見の食い違いから緊張関係に発展し、さらには激しい衝突へと至ったこともありました。それにもかかわらず、社会人運動においては両者間の関係は改善され、相互に協力しています。

現代の状況と展望

近年、民族派学生組織は存在感が薄れていますが、関係者間には一定の交流が見られます。特に鈴木邦男を中心とする一水会との関係が注目され、過去の主導者や立場の違いを乗り越え、共通の目標で活動する様子も見受けられます。

日本の学生運動における民族派の役割は、歴史的に見逃されがちですが、彼らの活動や思想は今後の運動においても何らかの形で影響を与え続けるでしょう。

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