水島銕也

水島 銕也: 神戸高商の創立者

水島銕也（みずしま てつや）は、1864年8月1日に生まれ、日本の商業教育の発展に多大な貢献をした教育者です。彼は神戸高等商業学校、つまり現神戸大学の創立者であり、初代校長としてその教育理念を確立しました。彼の雅号「愛庵」としても知られ、多くの学生に慕われました。

経歴の始まり

豊前国中津藩藩士の長男として誕生した水島は、14歳のとき父の急逝により伯父に引き取られます。姫路の旧制姫路中学校を卒業後、1881年には神戸商業講習所に入学し、さらに1887年には東京高等商業学校を卒業しました。その後、同校の教員として教育界に足を踏み入れ、大阪商業学校での教鞭を執るなど、教育者としての道を歩みます。

彼は1890年に藤田組に入社し、一時的に実業界にも関わりますが、その後、横浜正金銀行に転職。ニューヨークでの勤務中に病にかかり、帰国後は母校である高等商業学校の教授に就任しました。

神戸高等商業学校の設立と教育改革

1902年、東京高等商業学校に次ぐ形で神戸高等商業学校が設立され、水島銕也は初代校長に就任しました。彼は実務重視の教育を進めると同時に、商業学校出身者の入学を許可するなど、独自の入試制度を策定しました。このようにして、東京高等商業学校とは異なる教育課程を整備しました。

また、彼は少人数教育を重視し、ゼミナールと呼ばれる形式での授業を導入しました。これにより学生との距離を縮め、実践的な学びを提供することを目指しました。神戸高商はその後、神戸大学の基礎となり、彼の教育理念は現在も多くの学生に受け継がれています。

水島は学内で「愛庵先生」と親しまれ、多くの学生たちから尊敬されました。代表的な卒業生には出光佐三や永井幸太郎がいます。彼の死後、墓所は多磨霊園に眠っています。

記念碑と後世への影響

水島銕也の功績を称えて、その生誕地である大分県中津市金谷本町には「水島公園」が整備され、彼を称える記念碑が建立されました。また、神戸高商内に設置された銅像は、新しい校地である神大六甲台に移設され、今も学生たちに親しまれています。

妻は谷國之助の二女である谷はなです。彼の縁戚には文化勲章受章者である高木貞治もいます。

栄典と評価

水島銕也はその功績により、1923年には従三位、1925年には正三位の位階を授与され、同年には旭日重光章も受章しました。これらの栄典は、彼の商業教育における尽力を物語っています。

参考文献

彼に関する書籍として、渡部義雄による『水島銕也先生傳』や平井泰太郎の『水島銕也』などがあります。これらの著作は彼の人生や業績を詳しく知るための貴重な資料です。

水島銕也の影響は、神戸大学や商業教育にとどまらず、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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