永井幸太郎

永井幸太郎

永井幸太郎（ながい こうたろう、1887年4月4日 - 1983年1月23日）は、日本の実業家であり、高畑誠一と共に日商（現双日）を設立し、同社の代表取締役社長を務めました。その他、貿易庁長官、学校法人甲南学園理事長、日本発条（ニッパツ）代表取締役社長など、多岐にわたる要職を歴任し、日本の経済発展に大きく貢献しました。その功績が認められ、藍綬褒章を受章しています。

人物・経歴

永井幸太郎は、兵庫県氷上郡（現丹波市）山南町下滝で生まれました。地元の柏原中学校（現兵庫県立柏原高等学校）を首席で卒業後、1909年に神戸高等商業学校（現神戸大学）を卒業しました。神戸高商では、後に同じく実業家として名を馳せる高畑誠一や、出光佐三、和田恒輔らと同期でした。

卒業後、永井はスタンダード石油に入社しましたが、その後、高畑誠一の誘いを受けて鈴木商店に転じました。鈴木商店では、本店穀肥主任、取締役本店総支配人などを歴任し、経営手腕を発揮しました。しかし、鈴木商店は第一次世界大戦後の不況により破綻。その後、台湾銀行の森広蔵頭取や三菱財閥の各務鎌吉などの支援を得て、高畑誠一らと共に日本商業を分離する形で日商を設立し、取締役に就任しました。

1945年には日商の代表取締役社長に就任。戦後の混乱期において、日本の貿易振興に尽力しました。1947年には貿易庁長官、学校法人甲南学園理事長に就任し、教育界にも貢献しました。1949年には再び日商代表取締役社長に就任し、経済復興計画審議会委員も務めました。1951年には初代柏陵同窓会会長に就任し、母校の発展にも寄与しました。1956年には大阪日米協会会長に就任し、日米間の経済交流を促進しました。1957年には日本発条代表取締役社長に就任し、同社の経営改革を推進しました。1959年には、長年の経済界への貢献が認められ、藍綬褒章を受章しました。

親族

永井幸太郎の長男である永井弥太郎は、三菱レイヨンの社長を務めました。その妻は、元川崎製鉄会長である大森尚則の二女です。

また、永井幸太郎の娘婿には、第28代日本銀行総裁を務めた速水優がいます。速水優の子供たち、すなわち永井幸太郎の孫には、国立情報学研究所名誉教授の速水謙や、京都大学東南アジア研究所所長の速水洋子がいます。さらに、京都大学名誉教授の三野和雄は、永井幸太郎の孫の夫にあたります。ほめ育財団 代表理事 原邦雄は曾孫にあたる。

永井幸太郎は、実業家としてだけでなく、教育者、国際交流の推進者としても多大な功績を残しました。彼のリーダーシップと先見性は、日本の経済発展に大きく貢献し、その功績は後世に語り継がれています。

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