水田珠枝

水田珠枝

水田珠枝（みずた たまえ、1929年11月9日 - ）は、日本の思想史研究者で、名古屋経済大学名誉教授を務めています。また、公益財団法人東海ジェンダー研究所の顧問も務めており、専門は政治思想史と女性学です。

経歴

水田珠枝は東京府で生まれました。1949年に津田塾専門学校（現在の津田塾大学）英文科を卒業後、1955年に名古屋大学法学部政治学科を卒業。1957年には同大学大学院法学研究科政治学専攻の修士課程を修了し、同大学の助手となりました。その後、1962年に同朋大学の専任講師、1963年に東海女子短期大学の専任講師、1964年に助教授を経て、1965年に市邨学園短期大学の助教授、1970年に教授、1980年に市邨学園大学の教授となりました。1983年には校名変更により名古屋経済大学経済学部の教授に就任しました。1980年には「女性解放思想史」で名大法学博士号を取得。1992年から1996年まで経済学部長を務め、2005年に定年退任し、名誉教授となりました。

夫は思想研究者で名古屋大学名誉教授、日本学士院会員である水田洋です。

水田珠枝文庫

ジェンダー関係の書物を集め、研究や交流の拠点となることを目指して設けられたのが、2017年11月に開館した名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリです。その中でも目玉の一つが、女性史研究のパイオニアである水田珠枝・名古屋経済大学名誉教授の蔵書約7000冊を収める「水田珠枝文庫」です。この文庫は、ジェンダー研究における貴重な資料を提供し、研究者や学生にとって重要な資源となっています。

著書

女性解放思想の歩み（岩波新書、1973年）
女性解放思想史（筑摩書房、1979年 / ちくま学芸文庫、1994年）
女性論の系譜（NHK大学講座、1981年）
ミル「女性の解放」を読む（岩波セミナーブックス、1984年）
男性vs.女性 歴史にのこる名言集（岩波ジュニア新書、1990年）

共編著

社会主義思想史（水田洋共著、東洋経済新報社、1958年）
社会主義思想史 1516-1848（水田洋共著、社会思想社、1971年）
Sources of British feminism（マリア・マルヴェイ・ロバーツ共編、Routledge/Thoemmes Press、1993年）
Perspectives on the history of British feminism（Routledge、1994年）
Controversies in the history of British feminism（Routledge、1995年）
世界女性学基礎文献集成（監修、ゆまに書房、2001年）

翻訳

功利主義（J・S・ミル、永井義雄共訳）
自然社会の擁護（エドマンド・バーク）
変革期の女性（É.シュルロ）
女とは何か イデオロギーの歴史（V.クライン）
フェミニズム歴史事典（ジャネット・K.ボールズ,ダイアン・ロング・ホーヴェラー編著、安川悦子共監訳）

参考文献

* 水田珠枝教授略歴並びに著作年譜 (水田珠枝教授退職記念号) 社会科学論集 2005-03

水田珠枝は、長年にわたり政治思想史と女性学の研究に尽力し、多くの著書や翻訳を通じて、日本の思想界に大きな影響を与えました。特に、女性解放思想史の研究においては、先駆的な役割を果たし、その業績は高く評価されています。また、教育者としても多くの学生を育成し、ジェンダー研究の発展に貢献しました。

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