水道記念館 (大阪市)

大阪市水道記念館：水の都の歴史と未来を繋ぐ

大阪市水道記念館は、大阪市の水道事業100周年を記念して1995年に開館した施設です。東淀川区柴島に位置し、歴史的建造物である旧第一配水ポンプ場を保存・活用した、煉瓦造りの美しい建物が特徴です。ネオ・ルネッサンス様式を取り入れ、赤煉瓦と御影石が調和した重厚な外観は、国の登録有形文化財にも登録されています。2022年には土木学会選奨土木遺産にも認定され、その歴史的価値の高さが認められています。夜間にはライトアップされ、昼とは異なる魅力を放ちます。

かつての水族館：貴重な淡水魚たちの楽園

開館当初から2012年7月まで、水道記念館には水族館が併設されていました。琵琶湖・淀川水系に生息する淡水魚を中心に、貝類や水草など、多様な生き物が飼育展示されていました。イタセンパラやアユモドキなど、絶滅危惧種を含む142種、9274個体もの生き物が暮らす、全国屈指の規模を誇る淡水魚の水族館として知られていました。開館以来100万人以上の来場者を記録し、多くの人々に愛されてきました。

しかし、2012年、大阪市の財政再建政策の一環として、水族館の閉鎖が決定されました。費用対効果や優先順位の観点から、水道料金を充てて水族館を維持することは困難と判断されたのです。この決定は、市民団体からの存続要望や、研究者からの惜しむ声にも関わらず、残念ながら覆ることはありませんでした。貴重な淡水魚コレクションを失うことを惜しむ声が上がる中、一部の希少種は大阪府立環境農林水産総合研究所に移されました。

現在：学習施設としての新たな役割

水族館閉鎖後、水道記念館は一時休館となりましたが、2016年8月に学習施設としてリニューアルオープン。現在は、土日祝日（12月～2月は除く）に開館し、大阪の水道に関する歴史や技術を学ぶことができます。入場料は無料です。

館内では、大阪の水道事業の歴史をたどり、近代化への道のりを展示を通して理解できます。また、最新の技術や取り組みについても学ぶことができ、水の大切さや、持続可能な社会への貢献について考えるきっかけを与えてくれます。

アクセスと開館情報

開館時間: 10時～16時
開館日: 土曜日、日曜日、祝日（12月～2月を除く）
入館料: 無料
所在地: 〒533-0024 大阪府大阪市東淀川区柴島1丁目3番1号
* アクセス: 西中島南方駅（Osaka Metro御堂筋線）2号出口より徒歩約15分、阪急京都本線・南方駅、崇禅寺駅、柴島駅からも徒歩圏内。バスも利用可能です。

歴史的建造物と、大阪の水道事業の歴史を同時に学べる水道記念館は、無料で楽しめる貴重な施設です。大阪を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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